スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

我が家の箒(ほうき)

2022.06.06

店頭でもお客様の目に留まることが多い吉田慎司さんの箒。
実用的な掃除の道具でありながら、姿かたちの美しさを兼ね備えています。
神奈川県で中津箒作りの技術を学ばれた吉田さん。
現在は北海道小樽市で制作をされています。
農薬を使わずに栽培されたホウキモロコシ、草木で染めた編み糸、山葡萄や竹を使った柄など自然のものを生かした材料はすべてが土に還るもの。

我が家で愛用しているのは、竹を使った柄の箒と小ぶりの手箒。
柄付きの箒は、掃く動作に無理がなく気持ちよく掃き掃除ができます。
小ぶりの手箒は、棚の上や部屋の隅を掃いたり、床掃除用に使っています。
畳の小部屋の掃除には、柄付きの大きな箒は使わずにこれ1つで。
しゃがんだ姿勢で、1畳1畳掃いていくと、時間はかかりますがしっかりきれいになります。
また、柄付きの箒で大まかに掃除をしたあとに、ほこりをちりとりに集めるのにも使います。

先日ご来店されたお客様から、こんなことを伺いました。
「ホームセンターで購入した箒を家で使っているのですが、穂先がけっこう抜けてしまいます」と。

吉田さんの箒は、穂先の部分が摩擦で少しずつ短くなっていきますが、抜けることはほとんどないようです。
3つある小ぶりの手箒のうち、1つはびっくりするほど短くなっています。
でも、短くなったことでブラシのようにしっかりした穂先になり、隙間などのほこりやごみを掻きだすような使い方もできるようになりました。
(こういう使い方、あまり推奨ではないのかもしれないのですが・・・)。
とにかく、丈夫で長持ち。

もともと、おろし立ては畳の間、少し草臥れたら板の間へ。
そして、土間、庭先へと箒を使い切っていたのだと伺ったことがあります。

電源がいらないので静かで省エネルギー。
さっと手に取って掃除を始められる機動性のよさ。
ちりとりの上に掃除の成果が見える。
そして、壁にかかっている姿も美しい。

家の中で使い勝手のよいところに、インテリア感覚で箒を下げてみるところから始めてみると、お掃除がもっと楽しくなるかもしれません。

瀬上尚子