ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
糸コトさんは今展にどのような作品を出品くださいますか。

A1
合財袋(がっさいふくろ)と箱を出品いたします。

たくさんの時間と人の手を経て私のもとに届いたこぎん刺し。
その模様を刺していると何故か緑しげる世界を旅している気持ちになるのです。

今回も春夏秋と季節を巡り、この冬をめざして旅するように制作していました。

Q2
ご両親やおじい様やおばあ様から引き継がれた愛用品がありましたら、教えてくださいますか?

A2
掌サイズの金床です。
私の実家は家内制手工業。
祖父、父ともに職人でした。

その家業をたたみ、家を壊す前に私が仕事場から持ってきたものです。
今は殆ど使用しない道具ですが、『何かの時には必要なもの』として部屋の隅に置いています。

この写真を撮るために ぐっと近づいて眺めていると、小さな傷や打痕をたくさん発見して。
それに導かれるように作業台として使われていた木の箱や、壁に並んだ工具、吊り棚、手製の機械などなど”仕事場”の風景が鮮明に蘇りました。

そしてやはりこれは、とても大切で必要な道具なのだと再確認しました。

こぎん刺しの糸コトさんには、初めてご出品いただきます。
こぎん刺しは特に時間がかかりますので、出展依頼をさせていただいてから、きっとぎゅっと制作に打ち込んでくださったのではないかと、、、。
作品点数は多くはなっかと思いますが、ぜひ丁寧な針の後をご覧いただければと存じます。

糸コトさんは26日土曜日に在館予定です。

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