ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
さこうゆうこさんは、今展にどのような作品を出品くださいますか?

A1
ヒヤシンス用、ムスカリ用の水栽培ポットを沢山のご用意します。
球根をのせる部分はヒヤシンス、ムスカリの球根の大きさに合わせてあるので、一定ですが、水を入れる部分は、背の高いの低いの、丸い形、ストンとした形、色んな形のポットです。

「水栽培が終わったら花瓶としても使えるように」と思って作っています。
色んな形から楽しんで選んでいただけたら嬉しいです。

Q2
ご両親、あるいは、おじい様、おばあ様から引き継いだ愛用品があれば教えてください。

A2
具体的な品物は特に無いのですが…。
生まれた家は田舎の農家で何代も前からそこにあった家だったので、家のあちこちにずっと前からそこにあったモノがありました。
おばあちゃんのお母さんがお嫁入りの時に持ってきた箪笥の横に、おばあちゃんのおばあちゃんの箪笥があったり。

鍬や鋤の農機具が仕舞われてある納屋はお気に入りの場所で、壁にたくさん並んだ道具を眺めるのが大好きでした。
箪笥と同じように代々のおじいちゃんの道具が並でいて、特に農具の柄が気になって。
古い農具には手近な木を切ってつけた様に見える柄がついていて、人が握って使ってツルツルに丸く角が取れて磨かれたようになっていました。
なんだかそれがとってもカッコイイものに見えて、納屋に入って眺めているのが好きでした。
幼いなりに、時間が繋がっていることをぼんやり感じていたように思います。

品物ではありませんが、その頃の記憶が引継ぎ愛用しているモノかなぁと思います。

Q4
「おばあちゃんの食器棚」の中で印象に残ったお話があれば教えてくださいますか。

A4
第8話の「ガラスのヒヤシンスポット」はどうしたって自分と重ねてしまうところがあって、ジーンとしたりグッときたり。

どのお話の中にも感じるところが沢山あって、ゆっくり読ませていただいていますが、敢えて選ぶとしたら6話の「銅の茶匙」でしょうか。

「機嫌よく」

真ん中に置いて、大切にしたいです。

「おばあちゃんの食器棚」のお話は、毎号、特定なひとりの作家をモデルにして書いているのではなく、今まで出会ったたくさんの工藝作家の方々とのやりとり、感じたことがない混ざって生まれた架空の作り手が登場しています。

とはいえ、「ガラスのヒヤシンスポット」のお話は、さこうさんとの出会いも反映されているのも確かです。
水耕栽培が大好きな人が作る水耕栽培ポット。
なんとなく形が水耕栽培ポットなわけではなく、必然のかたち。
そして、さこうさんならではの美しいフォルム。

初めやってみよう!という方も、追加したという方も、この機会にさこうさんにお話を聞きながら選んでみてはいかがでしょうか。

さこうゆうこさんは、両日在館くださいます。

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