スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

水村真由子さん(木工)

2023.03.10

Q1
「食にまつわる木の道具」をテーマに木工によって匙などを制作する水村真由子さん。
今展にはどのような作品を出品くださいますか?

A1
1本1本手削りした食にまつわる木の道具あれこれを出品します。
具体的には、スプーンやフォークのようなカトラリー、そして木べらや杓子のような調理道具です。
シンプルで使いよい形を探し、微調整を繰り返しているうちに、制作も10年目を迎えて豊かなラインナップとなりました。
手に触れ、使い、その形の意味をじっくりと味わって頂ければと思っています。

また今回、めいめい匙(銘々匙)という、手のひらに収まるほどのちいさな匙も出品します。
めいめい匙とは、つくる人もつかう人もめいめいが愉しむ匙であるようにと名付けた匙です。
定番で作っているれんげの木地を加工する際に出るこぶし大の端材を利用し、即興で制作しています。

普段の制作では型紙を元に切り抜いた木地から、決まった形のスプーンやフォークを削り出してゆきます。
一方、めいめい匙はその時の気分や季節に応じ、自分がワクワクすることをテーマに気の向くまま手を動かし、削る形や漆の絵に落とし込んで制作します。
出たとこ勝負なところがあるので、どんな風に仕上がるのか作っているわたし自身もドキドキしつつ、そんな過程をとても愉しんでいます。

今展のために、春らしくミモザやチューリップをモチーフにしたものや、花見酒をテーマにしたものをご準備したほか、愉快な匙たちも持参する予定です。
定番とはまた違ったリズムでこしらえためいめい匙を、使ってくださる方の暮らしに自在に取り入れて頂けますと嬉しいです。

 

Q2
水村さん、今年の春にぜひしてみたいことはどんなことでしょうか?

A2
先の質問で触れた花見酒をテーマにしためいめい匙は、実はこれまでお酒をいただきながらのお花見をした事がないので、あこがれを込めてこしらえたものです。
今年はアトリエの近所にある公園で、咲き誇る桜を愛でながら花見酒といきたいところです。

 

Q3
水村真由子さんが、この春に食べたいものを教えてください。

A3
菜の花のおひたしやワカサギの天ぷら、木の芽和えなど、年齢を重ねてから好きになった春の味覚はたくさんありますが、この季節になると京都のとある居酒屋さんの春限定メニューである、ホタルイカと生わかめのしゃぶしゃぶを食べたくなります。

ぷっくりと膨らんだホタルイカや、鮮やかなグリーンのわかめをポン酢に浸して頂くのは格別で、〆の雑炊までいくと口福な春の到来です。
残念ながらそのお店はもう畳まれてしまったのですが、またいつかどこかで食べる機会に恵まれることを願っています。

 

今展のために手描きしてくださった匙のシリーズ!
定番のシンプルで使い心地のよい道具になんとも遊び心が満載でびっくりしました!!
数に限りがありますので、お早めにご覧いただけましたら、と思います。

ひとつひとつの作品に対してのお話もとっても楽しく盛りだくさんに語ってくださる水村さん。
会期中は全日在店くださる予定です。

水村真由子さんのHPはこちらになります。
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