店主ブログ
日々の芽吹きの記録

バトンがつなぐ庭

2020.03.21

自転車ですっころんだ。
好事魔多し。
かっとばしていると、ちゃんとブレーキがかかる。
意志的なブレーキではなく、強制的なブレーキだったが。

たぶん、いや、かなり、ハイだったのだと思う。
新型ウィルス問題で、開催が危ぶまれ、時短になり、日々ニュースでは不安が増長される。
そのような中、ドキドキしながら始まった伊勢丹での「作り手と結ぶ庭」。

開けてみれば、予想を超えてお客様にお越しいただき、作家たちも笑顔ですごし、
八生さんの春の植物の壁画も素晴らしく、会場はまさに「作り手と結ぶ庭」になっていた。
幸せだった。

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例年、搬入と初日を終えると、かなりぐったり体力的に(足や腰など)疲れていた自分が、ちっとも疲れていないことに驚いた。
そのまま週末も元気に過ごし、初めての私の休日の月曜日の朝、まったくいつも通りで疲れが残っていないことにびっくりした。
いつもは午前中はベッド、午後は整体などで身体をほぐし、どうにか火曜日を迎えていたのだった。

朝食を済ませ、元気があり余っているので、大掃除を始めた。
トイレを隅々まで磨き上げ、三毛猫むー嬢様に押し入れにお入りいただき、窓を全開してリビングも大掃除。
エネルギーがあり余る中学生のように、自転車に乗って、らふとのお庭に行った。

元気の理由はふたつ。
ひとつめはフィジカル。
筋トレの成果。
二年半前から始めた筋トレだが、一年前から食事制限はやめて、細々と加圧筋トレを続けている。
10㎏落とした体重はかなり復活(笑)したけれど、筋肉が前よりはついてきた。
懸命にはやっていなくって、とにかく細々とでも継続。
この年ででも体力は少しずつ増すものなんですね。
まさに、筋肉は裏切らない。

ふたつめはメンタル。
いつ休館になって催事が終了になるかもしれないという状況。
にもかかわらず、たくさんのあたたかなお客様と出会える喜び。
作家さんたちが日々集う中で交わされる笑顔や、豊かな会話。
それでも、きっとみんなどこかで不安も抱えている。
私がしっかりしなくっちゃ。
みんなに気持ちを上げてもらおう。
そんなあれこれがないまざって、ハイになっていたんだ、きっと。

「早苗さん、元気すぎて、ドーピング疑惑!」
と言われてしまうくらい、ちょっとヘンだった。
心の中で、
「こういうときこそ、好事魔多し。気を引き締めないと」
と思っていたその日の晩。
駅から家までの帰り道、自転車ですっころんだ。

翌朝、足が痛んだ。
転んだときは、痛いよりも恥ずかしかった。
けれど、一晩寝たら、左足の甲がいたくて重心がかからない。
スケジュールをまじまじと見て、今日終日養生したら回復しそうだ、と思った。
今日のスタッフにはわるいけれど、大きく見たら、その方がきっとよい。
終日家にいて、パソコン仕事だけをして、気持ちは深呼吸。

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冷静に。
日々流れてくる情報に踊らされずに冷静に。
そう思っていながら、冷静じゃなかったんですね。

でも、それもニンゲンですから。
こういう状況で、私ってこういう風になるんだなぁと。
恥ずかしいような、なんだかなぁというような。

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そして、折り返し。
21日間の半分が終わった。
あと半分、ようやく平常心に戻れたのだろうか。

私がハイになって鼓舞する必要なんてなくて、会場はちゃんと「庭」になっていた。
作り手と結ぶ庭
作り手と使い手、作り手同士。

そして、その庭では「バトン」という言葉が生まれていた。
1期に出展した作家が、2期に「バトン」を渡す、というのだ。
自分だけの出展ではなく、この催事自体の豊かさを願ってくれている。
みずからの出展が終わったあとに、次の会期に向かって、
「ぜひお出かけください」とわざわざお知らせをしてくれている。
点でなくて、線、面へとつながっている。

もう、この庭、この土壌が出現しただけで、この会の意味があったなぁと思った。
私はその庭の園丁の気持ちをもって、謙虚に楽しく働けばいい。

メンタルは平常に戻った?ような気がするけれど、
フィジカル、実は少しお疲れめ(笑)。
会期中、加圧筋トレもお休みにしていますし。
youtubeでお気に入りの筋トレやストレッチをして、さぁ、元気に3月を乗り切ろうと思います。