ヒナタノオト
作品展に寄せて

萩原朋子
千葉 陶磁
小さな動物達の佇む風景をモチーフとした花入れ。
春の花と心に灯る思い出の一場面が重なることを願って。

Q1
萩原朋子さん、今展にはどのような作品を出品くださいますか?

A1
動物の佇む風景をモチーフとした花入れ、蓋物、ペーパウェイトなどを出品します。 

Q2
庭にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

A2
実家が引っ越す時に、玄関脇に植えてあった卜判椿のこぼれ種から育った30センチ程の小さな苗を持ち帰りました。
品の良い濃赤で、卵白を泡立てたようなふわふわっとした白芯が可愛らしく、めずらしかったからか、満開になると母が束にして、ご近所や学校へ持っていくようにと渡され、あちこちへ配達してとても喜ばれました。
つやつやで、まん丸の実がだんだん赤くなって、ある日くさびのような形にはじけて、その様子を見るのが楽しく落ちた種はせっせと拾いました。
自然の形の不思議に触れた一番幼い記憶かもしれません。

家に持ち帰った苗は、先祖返りしてしまって、黄色の花心のシンプルな姿になってしまいましたが、今年もいくつも花を咲かせて楽しませてくれています。

Q3
今展のメインビジュアルに描かれた草花の中で、出品作品にモチーフとしたものがありましたら具体的に教えてください。

A3
れんげ、すみれ、ミモザなどをモチーフとした花入れやブローチなどを制作しました。
春を傍に感じていただけたら嬉しいです。

風景の中に小さな動物が佇んでいるような作品を作る萩原朋子さん。
その作品は、そのままで飾っても完成されていながら、草花を添えると新たな表情を創り出してくれます。
四季折々の楽しみ方を想像しながら、1点ずつの作品をじっくりご覧いただければと思います。