店主ブログ
日々の芽吹きの記録

応援

2020.05.16

牛平安代さん、梅田かん子さんの作品展「空想の手触り」が終了いたしました。
オンラインを通じてではありましたが、多くの方々にご覧いただくことが叶いました。
作家ともども私たちも手ごたえを感じ、心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

実店舗だけでしたらお選びいただけないような、ご遠方の方のお手元にもお届けできたこと。
新たな気づきでした。
実店舗ならではの役割、豊かなこと。
オンラインを活用してこその、広がり、深められること。
相乗効果となるように、これからも模索を続けたいと思います。
作り手と使い手を結ぶ手として。

 

 

「もの」はものとして熟して在るのだから、それを感じる心はまっさらでありたい。
でも、私は仕事として関わっていきたいのは、その「もの」の点ではなくて、線のようなこと。
点である「もの」が生まれるに至った作り手の軌跡、今、かたちとなった「もの」が向かっている未来。
そのふたつを感じられるものの土になりたい。

咲き出した花もある。
芽吹きの草もある。
あるいはどんなものだかわからない、予感ばかりの種を蒔くこともあるだろう。
自分の持たされた土の範囲で、それらを丹精したいのだ。
もっともそれは、私が作家を育てる、というわけではない。
育む場を、育む。と言ったら、近いだろうか。

(手しごとを結ぶ庭 (アノニマスタジオ)あとがきより)

 

今から、もう14年近く前に綴った文。
あらためて読み返し、こうして綴ってみたくなりました。
それは、今回オンラインを通じてお選びくださったから届いた1通のメールから。

梅田かん子さんの制作を初期から見続けてくださった方。
今回も素敵な作品をお選びくださったのですが、
『もっと選ぶことが出来ずに、応援できずに残念!』
と書かれてあったのでした。

何もかもではなく「選ぶ」ことは当然のことですし、
優れた審美眼をお持ちのその方は、妥協して作品を選ぶようなことはなさいません。
そんなこんなの大前提を踏まえての「応援」。

販売会ではなく、展覧会。
いつも心に置いてきました。
販売を行いますし、それが作家の日々を成り立たせ、次へつなげることでありますが、売れればいいということではない。
展覧会は、販売の場だけではなく、あえていえばもっと情緒的なものであるべきだと考えています。
それがオンラインで出来るのか、叶うのか。
ツールだけに成り下がっていないか。
そのことへの模索と挑戦が、今なのだととらえています。

まだまだ答えなどなく、非力で作家にもお客様にも申し訳ないようなのですが、心はいつもここにあります。
お客様からいただいたメールにあった「応援」という言葉。
作品をゲット!することだけのためにギャラリー、店舗、オンラインストアがあるのではなく、
応援とそれに応えて成果を上げようとする心の交流が、佳き作品を生んでいく。
その場づくりを、これからもしていくのだと、あらためて思わせてもらえた機会でした。

 

 

疫病退治を願って描いてくださった獅子舞の色絵皿もよかったですね。
早々にお選びいただきましたが、リクエストも多かったです。
(私もほしかったです!)
獅子舞さん、退治してください、疫病!!<(_ _)>

 

牛平安代さんの木彫の作品、、今も仲良く釣り竿を垂らしていることでしょう。

 

オンラインストア「ソラノノオト」を通じて、お顔のわかる大切なお客様も、作品を選んでくださっています。
このような時も、しみじみしみじみ、ありがたいです。
そこにも「応援」のお気持ち、勝手ながら感じています。
そのお気持ちは、私たちを通じて、作家の方々にもつながっていくべきものですね。

 

 

さて、土曜日12時からはアトリエ倭さんの「木の文房具とその仲間たち展」が始まります。
Stay homeの今だからこその
「うちで作ろう。コースターワークショップセット」
も登場です。
アトリエ倭さんの人気ワークショップをご家庭で!
(人気レストランのメニューをご家庭で!
みたいですね、書いていて思いました(笑))

お会いできませんけれど、手を介して、ほっとしていただける時間。
皆様にお届けしたいと願っています。

ソラノノオト → click