店主ブログ
日々の芽吹きの記録

過ぎないこと

2020.08.06

只今発売中の「クウネル」。

4頁にわたって大野八生さんの素敵な絵と記事が掲載されています。

ぜひご覧になってみてください。

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この号の64頁に松浦弥太郎さんのスペシャルエッセイが綴られていました。
「ふたつの物差し確認」
というもの。

『 私たちはなぜ生きているのでしょうか。
・・・・
それがどんなにささやかであっても、大きな感謝に値する「しあわせ」を見出すために生きている・・・』
という文章につながっていきます。

少し、拾わせていただきご紹介しますね。

『 いつも穏やかに暮らしたい。
そのためには自分の日々の暮らしや仕事で起こりうることにどう反応するのか。
僕のベーシックは全肯定です。
それが不安と迷いに対する僕の態度です。
すべてを受け入れ、理解し、認めること。
・・・・・
偽善っぽいと友人は笑いますが、ほんとうです。・・・』

『 また、コロナ禍においてはウイルスに対する免疫力を高めることが大切・・・・・
・・・それ以上に、心の免疫力を高めることが必要な気がしてなりません』

『 心の免疫力を高めるために心がけていること。
それは過ぎないことです。
自分や他人、社会に対して、期待過ぎない。求めすぎない。望み過ぎないこと。
決してあきらめることではありません。
期待しても、求めても、望んでも良いのです。
ただ過剰にならないこと。
過ぎた欲求が果たされないことによるストレスが心をいらだたせ、怒りを生み出すからです。』

自分にもとても響く文章ですが、今、この文章を読んでほしいなぁと思う人を何人か思い浮かべています。

過剰にならないこと。
私はそれを「ぼかすこと」と思ったりします。
光の焦点を当てすぎると、焦げてしまって燃え出してしまいます。
辛さや、痛みは、なるべくふんわり、ぼんやり受けとめてみる。
そんな風にして、やりすごしながら、本来の力を養っていく。

そして、好ましくないと思えた現象も、その受け止め方によっては、好ましい転機になるかもしれません。
コロナ禍はまさに好ましくありませんが、それをどう受け止めるか。
展けてくる世界は、その受け止め方で違う顔を見せてくれるように思うのです。