ヒナタノオト
作品展に寄せて

少し日が経ちましたが、日曜日を持ちまして「大谷哲也・桃子展」が終了いたしました。
お気にかけていただきました皆様に心より感謝いたします。

「婦人之友」11月号(10月発売号)への掲載記事から始まって、
自由学園明日館での展示、そして、ヒナタノオトでの展示と、長い旅のような時間の中で、
おふたりのお仕事にあらためて触れる時間をいただいたような想いです。

出会って20年以上、お二人も若かったけれど、私も若かった(笑)
信楽と関東と離れていますから、毎年お会いするばかりではありませんが、
それぞれの地で精一杯生きて、働いて、そして、句読点のような時間をもって仕事を共にし、
食事を共にし、たくさんのお話をする。

今回、おふたりの作品を求める方がうんと増えて、それに応じることの配慮に悩ましいこともありましたが、終わってみれば、そのようなことは一片のことにすぎず、日々作品に触れる中で、おふたりの深めてこられた陶芸、器の世界をじんわり感じることができました。
そして、真に作品を愛し、大切に使う方々との出会いも叶い、喜びばかりの展覧会となりました。

作家として仕事を始めると、まず制作した作品をギャラリーに並べて見てもらいたい。
そして、使ってもらいたい、選んでもらいたい、求めてもらいたい。
そのように思うでしょうし、そうなっていく中で、作家として立っていけるのだと思います。

そして、それが果たされていくと、展覧会の場は、ただ選んでもらう、求めてもらう、ことでは終わらなくなっていく。
日々の仕事の実りである作品が、作家にとって非日常の「経験」を与えてくれる機会になる。
私たちギャラリーは、お客様に喜んでいただくことを考えながら、
いかに作家に今後の制作の糧になるような経験をしていただけるかを考える。
そのことにあらためて想いを巡らせ、言語化できる機会をいただいた会でした。

コロナ禍の中で、人と人が実際に会うことが規制されましたから、できなかったこともたくさん。
明日館で哲也さんのコーヒーのデモンストレーションや、おふたりのお話し会なども構想していましたが果たせず。
また、来場を控えられた方も多かったかもしれません。
それでも、まずは展覧会を開催できたことがとてもありがたいことでした。

明日館での初日、開催前に、映像をいとうゆりさん@ito _video _workに撮っていただきました。
美しい空間に、ぎゅうっと作品が壮観に並べられていました。
この数時間後には、余白の美の空間!になりましたから、貴重な映像です!!

そして、哲也さん、桃子さんのインタビューも。
お話の一部抜粋ですから、おふたりのお話を伝えきれてはおりませんが、
動画ならではの伝わるものがあることを願って。

ヒナタノオトのYouTubeチャンネルにあげましたのでぜひご覧くださいませ。
→ click

(ヒナタノオトのYouTubeチャンネルは、「バズル」(笑)ことなど考えず、
時間をかけて、こつこつじっくり映像を残していこうと思っています。
美しく貴重な時間が、年月を経ても映像で記録として残しておけるように)

大谷哲也さん、桃子さんの作品は、11月中ヒナタノオトで引き続きご覧いただけます。
また、12月1日から6日までオンラインストア「ソラノノオト」で販売も致します。
引き続き、大谷夫妻のお仕事をぜひご覧ください。