ヒナタノオト
作品展に寄せて

ハマスホイの時間
2/8(土)〜2/16(日)

9名の出展作家に今企画展にメッセージを寄せていただきました。
また、出展作家への企画者の想いも記しました。

Q1
高見由香さんは、今展にどのような作品を出品くださいますか?

A1
ハマスホイの光の変化やマチエール(絵肌)に着目した作品を制作しました。
カシミヤ×シルクや麻×カシミヤ等、異素材を掛け合わせたストールやテーブルウェアを出品します。


Q2

ハマスホイの時間という企画展からどのような事を想われましたか?

A2
まずは雨の一日のような静寂であたたかな時間を想いました。
(自身は雨の日に部屋の中で窓の外を感じながら制作する時間がとても好きです)

ハマスホイが作り出すあたたかさの後ろに流れる孤独で凛とした空気感を想い、
その空気の中の光の粒子をどう表現するか挑戦できる事に面白さを感じました。

Q3
ハマスホイの絵を実際に見て、どのようなことを感じられましたか?

A3
絵を観覧した後にハマスホイが使っていたパレットを写真で見ました。
その時にふっと腑に落ちた気がしました。
パレットに並んだ灰色3色と白の4つ絵の具の塊が美しいグラデーションを作っていて、
意図的に作ったものではなく結果そうなったものでした。
そこに美しさや光の粒子の原点を見た気がしました。


「ハマスホイの時間」という今展を企画する中で、どなたに織りをお願いしようと思ったとき、すぐに高見さんのことが浮かびました。

昨年、ご自宅兼アトリエを新築された高見さんのその空間のエッセンスに、ハマスホイの絵の中の何かがあるように感じたことも、その理由のひとつでした。

この企画に向かって、短い時間にぎゅっと凝縮してハマスホイと向かい合ってくださったのだと思います。
制作の時間が、その空間であったこと。
織り上がった布のどこかにきっと、ハマスホイの絵と通じるものがあるのでは。
それは単純に色合いとかということを超えて、何かもっと深いところで・・・。

美術館に展示されている絵は、鑑賞者の想いに何も答えを言葉で返さないように、高見さんの布も何も言葉を発しない。
けれど、そんな何かを問うことができそうな織り布に出会えること、とても楽しみなのです。