ソラノノオト
作品展に寄せて
佐藤亜紀‐糸ぬの歳時記 結葉
2021.06.03四季を巡る手仕事。
日本の美しい季節と心添わせ、生み出される布。
染織作家、佐藤亜紀さんの布づくりを春夏秋冬ご紹介する「糸ぬの歳時記」。
初夏のお届けです。
今回は、結葉と芒種。
さっそく、亜紀さんからのメッセージをお伝えいたしますね。
ストール「結葉」(むすびば)
木々の枝葉が茂り、重なりあって、結ばれたように見えること。
降りそそぐ明るい陽ざしの下で、葉っぱが仲良く手と手を取り合っているような、ほっこりとした気持ちになる言葉だなと思います。
さわやかに吹きぬける風と、木々のざわめきを思い描きながら織りました。
ストール「芒種」(ぼうしゅ)
芒(のぎ)とは麦や稲など、穂先にある針のような毛のことで、芒のある植物の種を蒔いたり、麦の刈り入れや田植えを行う季節のこと。
田植えの頃の芽吹きだした山々の色の美しさは、春先のよもぎやスズメノエンドウで染めたやわらかな色彩と重なり合うように思います。
その色を活かすように織りました。
野草の息吹を色から感じてもらえましたらうれしいです。
藍の種をつなぎ、毎年、藍の生葉染めを続けていますが、ずっとプランター栽培でしたので収穫も少なく、少量の糸しか染めれませんでした。
昨年は地植えをしてたくさん収穫でき、染めることができましたので、一部はマリーゴールドの黄色を重ね染めして黄緑色を染めることができました。
今回はその色をつかってストールを織りました。
ゆっくりの歩みですが、できることが増えてうれしいことです。
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草木染の不思議は、緑の葉で染めても緑には染まらないこと。
緑を染めるために、藍の青と、黄色に染まる植物を使って、重ね染めをすること。
今回、亜紀さんはマリーゴールドを使われたんですね。
亜紀さんは、ぐいぐいっと世界を広げていくタイプの方ではありませんが、
じんわりじっくり着実にフィールドを確かにして、実りを重ねていかれる方。
今回の緑色の糸にも、そんな手ごたえが染め色に表れているようです。
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これからの季節に合うような麻素材の敷物を織りました。
夏の季節を味わい、楽しむひとつにしてもらえましたらと思います。
ティーマット
生成り、よもぎで染めたグリーンベージュ、青紅葉で染めたグレーの3色です。
夏向きに白系もいいかなと思い、染めていない生成りの色も用意しました。
白と亜麻色の糸を合わせたアイボリー調の色です。
お茶の時間はもちろん、インテリアに敷いてもらってもと思います。
テーブルランナー
「ざっくりとした表情の布」に挑戦しました。
両脇に藍色のラインが入っているだけのほとんど無地ですが
存在感のある風合いに仕上がったと思います。
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フレッシュで品のよい染織布が届きました。
染めること、織ること、その場面場面で、試行を重ね、新たな取り組みを行って生まれた布。
6月5日土曜日正午からオンラインストア「ソラノノオト」で販売いたします。
只今、プレビュー中。
ぜひ、ご覧くださいませ。
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佐藤亜紀さんのブログにも、制作時記事がのありますので、合わせてお読みになってみてください。
→ click
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