ヒナタノオト
作品展に寄せて
ハマスホイの時間
2/8(土)〜2/16(日)
9名の出展作家に今企画展にメッセージを寄せていただきました。
また、出展作家への企画者の想いも記しました。
Q1
谷田貝さんは、今回はどのような作品を出品くださいますか?
A1
いつも用いているブルーグレーの山羊革が、ハマスホイのグレーのトーンに似ていると伺い、その革で仕立てたバッグと小物を出品します。
ブルーに染色した山羊革を揉みこみシボを(凹凸)を際立たせ、黒い染料を塗布すると凹にのみ、黒い染料が流れ、光源によってグレーにもブルーにも見える色目の革で、とても好きな革です。
いつも作っているバッグを数点。
こちらは山羊革のふっくらした繊維と美しい肌目が際立つように陰影を意識して仕立てています。
そして今回の企画で得た印象から、山羊革のふっくらした繊維を肉盛りに活かしながら、ステッチと切り目磨きでスパッと直線的に仕立てた小物を出品します。
Q2
ハマスホイの時間、という企画展から、どのようなことを想われましたか?
A2
デンマークといえば、デンマーク好きな稲垣さん。
ハマスホイといえば、ハマスホイ好きな稲垣さん。
…ですが、稲垣さんからいったん離れて想うことは、自分の歩く足音や服が擦れる音だけが聞こえるような、静かな空間です。
デンマークといえば”ヒュッゲ”が代名詞ですが、それとは違った、ほんの少し緊張感がある印象です。
ハマスホイの描く静かな色彩と直線的な室内の印象に、冷たくてドライな空気という現実としてデンマークについて私が持っている僅かな知識から、清潔で整った緊張感が”ハマスホイの時間”の中に足されたのだと思います。
Q3
ハマスホイの絵を見て感じられたことをお教えください。
A3
さっそく、ハマスホイとデンマーク絵画展を見に行きました。
ハマスホイの描く対象物が愛する家族や住み慣れた場所という日々の生活の中の一部であることに、ヒュッゲ的な温かさを感じました。
愛用していた物の一部展示で、絵画の中の物と実物を同時に見ることが出来、絵画の中と現実の感覚が混乱する楽しい体験でした。
この企画展に参加させて頂くことを機に、デンマーク絵画に触れることが出来、とても良い時間でした。
谷田貝さんが好んで使われる革の中に山羊革があります。
そのグレーの革の色合いがとても美しく、谷田貝さんのクールなデザインととても合っています。
ハマスホイの絵には、ものが極力描かれていませんが、谷田貝さんの作るバッグは、ハマスホイの絵の世界とどこか響き合う気がして、今展への参加をお願いしたのでした。
もし、ハマスホイが今の時代に生きていたら、きっと谷田貝さんのこのグレーのバッグシリーズには心が動いたのでは。
そんな空想もしてみたり。
谷田貝さんは、とても楽しく真剣に捉えてくださって、新作も登場するとか!
どのような作品になるのか楽しみですね。
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