スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

津田清和さんの「今」

2022.11.14

11月12日土曜日より、「津田清和 ガラス展」が始まりました。
初日の12日には津田さんも在店くださり、作品を通してお客様とのお話を楽しまれていました。

酒器、グラス、小鉢など、展示された作品は80種類以上。
ブルーグレー、わずかに褐色を含んだ透明、ガラスに含まれるわずかな気泡、
それらが形の多様さと相まって、空間に静かな奥行きを生み出しています。

ギャラリーの棚には、数多く制作くださった酒瓶。
真鍮の蓋も津田さんの手になるものです。
小さな器もいろいろ。
酒盃はお酒をいただくのはもちろん、酒肴をちょこんと盛るのもよさそう。

初日、二日目と、津田さんの作品をすでにお持ちの方はもちろん、
初めて作品を目にする方も多くご来店くださいました。
色合いや形を確かめるように、ひとつひとつ手に取って眺める方。
ガラスを通してテーブルに落ちた影の美しさを楽しむ方。
時間をかけて作品を味わっている光景が、展覧会の充実を物語っています。
作品を選んで、盛り付けてみたい料理のことをお話しくださる方や、
お持ちの作品でお茶を楽しまれていることを教えてくださるお客様も。

試行錯誤の繰り返しと、偶然の中からの発見。
制作を続ける中で、変わらない部分と変化する部分。
積み重なる経験と時間。
そうしたことから生み出された、津田さんの「今」。

会期は11月20日 日曜日まで。
続けることで身につけた技術と、感覚への誠実さから生まれる、津田さんの器。
素直な目と心で、今の自分が使いたいと感じる作品と出会っていただける場となれば。
そう願います。

文  瀬上尚子
写真 中川碧沙