スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

森の音

2020.05.19

群青に染まる空を覆う若葉色重なる樹々の葉。

隙間から溢れる光。

ぐんぐん伸びゆく新緑の香りをはこぶ乾いた風。

涼やかな空気の中に温もりが立ち上がります。

昔から、大きな木の真下に立って、空に広がる樹形を見上げることが好きでした。
風が吹くと樹種によって異なる葉の擦れる音、樹皮の手触り、耳をあてると聞こえてくる水を吸いあげる音、ほんのり伝わる温度。
実物に触れることで得られる情報の豊かさと確かさ。
木は心をほっとさせてくれました。

5月、快晴、夏まであと少し。

気持ちのいい朝、庭にテーブルを出して朝食を。
バジル、イタリアンパセリ、タイム、オレガノ etc.
元気な季節のハーブを、いつものオムレツやトマトやサラダに加えていただきます。
BGMにはアトリエ倭さんの「森のスピーカー」にiPhoneをセットして。

ご存知の方も多いかもしれませんが「セットして」といっても、私がするのは音楽を再生したiPhoneを置くだけです。
周囲の生活の音にも馴染むやさしい音域が心地よく。
電源を使わずに、好きな時に好きな場所へ。自由に持ち運ぶことのできるスピーカー。
素材はメープルに、マホガニー、ウォールナット、黒檀の3種それぞれの樹種が組み合わされた
考え抜かれたフォルムと仕立ての美しい木のスピーカーです。
少し傾斜がつけられている背面に立てかけるようにすっきりとおさまるiPhoneの、スピーカー部分にぴったり合わせて開けられた小さな穴から流れる音楽が、木箱の中で共鳴して樹種によって異なった音色が空間に渡ります。
流れる音楽と、それぞれの木の特徴と、気候の変化とが奏でる豊かな響きの調べ。
また、現代の暮らしのスタイルそのままに自然の木の豊かさや楽しさを発見することもできます。

こちらは、前面が黒檀のタイプです。
黒檀は、ピアノの黒鍵やカスタネットなどの楽器に使われる木材だそうです。
個人的には、硬質な素材の澄んだ響きを映したような音色と、ピアノの鍵盤を叩く打楽器ならではの音の共鳴に印象的なシーンが浮かびます。
他の2つの材と比べて、きりとられた高音の輪郭が際立って、空気の波長にのって耳に届いてくるように感じます。
アコースティックやクラシックギターなどのネックを、キュッと滑らせたときの音も気持ちがいいと思います。
1つのピアノ曲を2つの場所からかけてみました。
置き型も壁掛けにも。すっくとした佇まいからやさしい時間が流れます。
音色はこのように。
森のスピーカー

今朝の朝食のテーブルにも。

リモートワークのデスクまわりにも。

おうち時間に愛用させていただいています。
いつかのピクニックにも連れて行けたらいいなと思います。

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ソラノノオトでは
『アトリエ倭
-木の文房具と仲間たち-展』
開催中です。
作者のアトリエ倭さんは、お話もとっても楽しく、いつも丁寧に作品を説明くださいます。
おうち時間、アトリエ倭さんの前向きで開かれた心とつながれるような作品が、皆様の心音に響く新鮮な出会いとなりますように。
どうぞよろしくお願いいたします。

中川碧沙