台所で、にんじんを育てている。
家で過ごす期間が更に長引くことを知った頃、
緑や植物が家の中にあったら気持ちも違うかな、
大野八生さんの「みんなの園芸店」を読んでいたページが頭に浮かんだ。
キッチンに小さな野菜畑、これならすぐできる、やってみようと思い立った。

さっそく、にんじんの頭を水に浸してみる。
次の日の朝、少し芽が出始めようとしていることに気がついた。
夕方、その次の朝も、ぐんぐん成長している。
毎度著しい成長を見ていると、小さいながらにも生きようとしている生命力に驚かされ、
小さな芽の可愛らしさと力強さに元気をもらい、ふっと笑顔がこぼれた。

八生さんの本には、植物や身の回りのものにそっと心を寄せる優しさや細やかな気づき、そして愛情があふれている。
本の中に登場する人物の笑顔や自然豊かなお庭、
暮らしの中に取り入れると心が豊かになるヒントがたくさん散りばめられています。

元気を分けてあげたいと思う大切な方へ、差し上げてもきっと喜ばれると思います。

くちなしを挿した七実さんの花器。
季節季節の草花を受け止めて、日々を楽しませてくれます。
七実さんの食器もたくさん愛用しています。
夏野菜をたくさん取り入れて元気でいたいと思い、
今回の「うつわなないろ」展では、どんな出会いが我が家に巡ってくるか楽しみにしています。

近藤佳代

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