スタッフブログ
ヒナタノオト日誌
遥か近く遠く
2021.03.02○○デザインという言葉は多種多様に広がるけれど、とりわけウィンドウディスプレイ、インテリア、建築など空間を構成することに魅力を感じていた二十歳前後。
授業で日本の伝統建築とよばれる木造建築の世界を誠実に深めていらっしゃる先生と、ご自身も暮らすことを心の底から愉しまれている建築家の先生からの学びの機会に恵まれました。
講義は毎回新鮮な学びの時間で、その先生方には到底及ばないけれど、誘蛾灯に引き寄せられるように、お薦めいただいた本や、建物やその室内空間をみて回りました。
そんな中、間、余白、しつらえ、借景、みたて、など美しい日本語に表された、遥か近く遠くの景色に心がふっと添う心地よさを感じました。
ヒナタノオトでは、stained glass Ginga 武田奈未さんと、hyakka 岡林厚志さんの二人展
『-室内を愉しむ-』が開かれています。
お二人それぞれに魅力的な作品を寄せていただいております。
また、お二人の作品が奏でるハーモニーも、移ろう光とともに、さまざまに美しい間や余白が室内に生まれます。
モミジの球体のオブジェは自然と作為が共存するように観る人によってさまざまに。
鉄媒染のチェリーの掛け台は、一輪挿しを飾っていただくのにも。
森の息吹を掬いあげた断片のような、自然の木の魅力溢れるコナラの花器。
経年変化も愉しみな佇まいです。
stained glass Ginga 武田奈未さん
ステンドグラス
flower vase
西洋では教会建築を彩る装置としてのステンドグラスが思い出されるけれど、
自然を慈しむ暮らしに親しみのある日本では、外からの光を彩り内と外をつなぐ光のパレットのよう。
日が沈んだ室内をステンドグラスの紋様が浮かび光が満ちてゆきます。
「結霜ガラス(けっそうガラス/1921年)のシリンダーランプ」
CUBE LAMP(銀河・1967年/モール・1932年/結霜・1921年/ており・1963年)
光の記憶は、物語の断片だったり、映画の一場面だったり。
または、いつか訪れたことのある街の灯りや、昨日の帰り道に目にしたお家の団欒の灯りなど、幸福な光景が広がるようです。
会期は、今週末(3/6・土曜、3/7・日曜)までとなります。
最終日は、hyakkaの岡林厚志さんが在店くださいます。
ぜひ、作品のことや制作のことなどお話されてみてください。
そして、来週の3月10日(水)より、「ヒナタノオト 作り手と結ぶ庭 花菜摘む」
伊勢丹新宿店本館5階センターパーク/ザ・ステージ#5で開催いたします。
こちらからのご案内と会場、合わせてお楽しみいただけますと幸いです。
中川碧沙
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