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ヒナタノオト日誌

取材記事掲載のご案内

2021.04.13

婦人之友誌で不定期連載をさせていただいている「作り手のモノサシ」。
第6回目は、染織作家の下地康子さん。
カラー8頁で、文と写真を担当させていただきました。

下地さんとの出会いは2011年の工房からの風。
初めての出展とは思えない成熟したお仕事ぶりに驚きましたが、
そこまでの過程のすべてに理由があって、今の豊かなお仕事につながる巡り合わせが潜んでいました。

宮古島出身のご両親もとに、沖縄の首都、首里で生まれ育った下地さん。
沖縄の本土復帰の時には6歳で、同居のおばあ(祖母)の琉球絣姿にも触れ、
宮古島に暮らすひいおばあを訪ねれば、ジーファーというかんざしでまとめた琉髪に、風通しよくゆるやかに着物を纏った琉装に親しんだといいいます。

(ひいおばあのかたみの宮古上布)

沖縄固有の服飾文化の最後の瞬間を、ぎりぎり多感な心で体感したことが、下地さんならではの染織の礎になっているのでした。
と同時にそのことは、前の世代の人々が、納税として過酷な布づくりを強いられた辛い歴史と共にあったことを示すことでもありました。
染織の道へ進むことを、周囲の方々に全面的に受け入れられなかったこと。
それでも、染織の学びを大学でも選んだこと。
その後のバブル時代の中、有名デザイナーのもとで生地デザインの仕事に邁進したこと。
そして、子育てと一流メゾンで使われる生地の試織を両立させてきたこと・・・。

すべてが混ざり合い、とけあい、いよいよ下地康子という作家が誕生するべき瞬間に立ち会えたことは、巡り合いの僥倖なのだとあらためて感じながらの取材、そして執筆となりました。

婦人之友5月号はちょうど発売になりました。
「清ら風、清ら光」(ちゅらかじ、ちゅらひかり)
ぜひ、お手に取ってお読みいただきたくご案内いたします。

下地さんの展示は、
5月7,8,9日(金、土、日)自由学園明日館
5月11、12、15、16(火・水・土・日)ヒナタノオトです。

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自由学園明日館での催事は、今週、富井貴志さんです。
9日金曜日の初日、早い時間はご予約制ですので、こちらからご予約をお願いいたします。
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初日15時以降、土日はご予約は不要です。
初日と土曜日は、作者、富井貴志さんが在廊くださいます。

富井さんの個展前インタビューは、婦人之友のサイトに掲載されていますので、
こちらもぜひご覧くださいませ。

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