スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

今展によせて

2022.02.03

「ドラえもん」っていたらいいなあと思ったことありませんか?

自分にもいてくれたらいいのにと思ったこともあるし、
ちょっと似た存在がそばにいてくれたこともあったような気がします。
私が心の底から「そばにいてくれたらいいのに」と思ったのは、
障害のある息子の天真爛漫な笑顔を見た時です。
この笑顔を守りたい、でもずっとそばにいてあげることはできない。
親のように、兄弟のように、そばにいてくれるともだち。
この物語のきっかけは、私の願いからでした。

「青の王国」に住むアオ王子は、
自閉症の少年であり、
わたしでもあり、あなたでもあり、
あなたの大切なひとでもあります。

ドラえもん的存在の執事アスルは、
父のようであり、
母のようでもあり、
兄であり、姉であり、
弟であり、妹であり、
友人であり、恋人でもあります。

このふたりのささやかで小さな冒険は、
かつてあなたが体験したことでもあるのです。

5年前からあたため続けてきた物語を、ようやく形にすることができました。
「青の王国」の存在と意味が、はじまりとおわりでガラリと変わる。
それに気がついた時、きっとあなたのための王国が新しい世界で待っています。

にしむらあきこ

まず物語の構想が生まれて、文章が綴られていくというにしむらさんの制作。
その文章からスケッチ、そして和紙での絵が完成されて、絵本が立ち上がってきます。
こうして完成した絵本の中から、今回であれば、パネルやモビールなど、かたちとなった作品も生まれてきます。

印象的な窓のあるgalleri vindue(ギャラリ ヴィンドゥー)の空間では、
壁にパネル、天井からはモビール、棚には、お茶筒、装身具、箱などを展示しました。

そして、ふたつの大きなテーブル、一台にはにしむらさんの手製本のラインナップの販売用を。
もう一台の方には、この場でお読みいただけるサンプル本を並べました。
フィンユール、ハンス・ヴィーナー(ウェーグナー)の椅子などに腰かけてゆっくりお読みいただけましたら幸いです。

にしむらあきこさんは、まずこの土日在店くださいます。

店内、強力な換気扇と空気清浄噴霧器(人体に無害です)を稼働させております。
予定では、ギャラリー内でコーヒーなどを召し上がっていただきたかったのですが、
感染症予防のため、今回ご飲食は行わないこととさせていただきました。

このような時期ですが、すばらしい展示となっておりますので、ご案内は会期中させていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。