ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
福島県郡山市で漆器制作をされる平井岳さんと綾子さん。
今展には、どのような作品を出品なさいますか?

A1
日本産漆の色艶と木地を生かしたお椀などの漆器を出品します。
今回は漆の木を割り出して作った板皿など新しい試みの作品もご覧いただけます。

Q2-1
今回、「春の窓」というサブタイトルをつけました。
平井さんの、窓にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

A2-1
漆を精製する工場に見学に行った時に、職人さんが窓ガラスに漆を塗り付けてその色と透け具合で精製の度合いを確認していたのが印象的でした。
窓にこんな使い道があったのか!と目からウロコでした。

Q2-2
平井さんが工房の中で一番好きな、あるいは大切なものについて教えてください。

A2-2
やはり自分で採取した漆とそれを保存するための木樽はとても大切です。
漆は採取した時期や天候によって乾くスピードや色艶が変わるので、小分けにして用途により使い分けています。
特に上塗りに使う漆は夏の暑い盛りに採れた物を約1年ほど木樽で保管した後、自ら精製して作っています。
採取してすぐの漆は発酵しながら徐々に成分(性質)が安定して行くので空気を通す木樽が最適なのです。
精製する前の漆からはワインのようなカカオのような芳醇な香りを感じる時があります。
私はこの匂いがとても好きで、漆が生き物なのだなと実感する瞬間です。

塗料である「漆」を木から掻きだすところから行う平井岳さん。
高校生から漆を学んでいたという漆の申し子のような方です。
綾子さんは大学から漆に親しみ、クールなデザイン力で、現代の漆器を岳さんと力を合わせて制作されています。

窓ガラスに付けて漆の精度を確認したり、
漆独特の匂いを知っていらしたり、平井さんには一般的には知られていない五感の世界が深々と広がっているように思います。

漆器を日々の暮らしに取り入れると、日本ならではの暮らしがぐんと味わい深くなるように思います。
どの漆器を選んだらよいか迷われていらしたら、ぜひ平井さんのet craftの漆器をお勧めします。
クオリティーの高さに比して、お手にとっていただきやすい価格と思います。
漆器を使うことで、若い作家の制作を結果として応援する!ことも、豊かなことだと思います。

会場には
2〜4日 綾子さん
5〜8日 岳さんが在店くださいます。
作り手から直接伺える漆器選び、ぜひに!

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