ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
繍 ぬいとりさんは、今展にどのような作品を出品くださいますか?

A1
今回は新作のティーコゼ、眼鏡ケース、ポーチとアイテムとしては3種類です

クリスマス用に、それぞれに「青の森」「白の森」という新しいモチーフを刺繍しました。

その他、デンマークをイメージした「窓」。
1年を振り返りたくさんの出来事や出会いに咲いた花のような「ブレーメン」。
おなじみの「綿毛」など、贈り物やご自身のお気に入りにおつかいいただけるよう、生地の色とモチーフ、糸の色を合わせながら楽しく制作いたしました。

Q2
ご両親やおじい様やおばあ様から引き継がれた愛用品がありましたら、教えてくださいますか?

A2
亡くなった母のお裁縫道具からいくつかわたしの手元に来たものがあります。
その中のひとつ、手巻きのメジャーです

古くなって金具が壊れてしまったので、古いボタンを付けて直して使っています。

編み物をしていた母の、おそらく若い頃からの愛用品だったのだと思います。
これを使う時、わたしはたいてい考えごとをしています。
作品の大きさやかたち、型紙のラインなど、バランスを考えてメジャーを手にしています。
伸ばしたテープ状のメジャーを、「なるほど。。。」「ってことは」などとぶつぶつ言いながら巻き巻きするのです。

そんなわたしの大切なお道具のひとつです。

Q4
『おばあちゃんの食器棚』の中で印象に残ったお話があれば教えてください。

A4
もちろん、ティーコゼの回です。

わたしは刺繍が好きで、心躍るような心持ちで針を持つ日ももちろんたくさんあるけれど、時にはこの小さな丸い枠の中でしか過ごせないような、重たい心の日もあって、そんな時必ず刺繍はわたしをすくいあげてくれるのです。

おばあちゃんの食器棚のこぎんのティーコゼの回。
最後の文章
「針を進める時間の奥行きにひそむ、喜びや悲しみ、願いや諦めを鎮めながら描かれた糸の跡」という言葉にはっとしました。

改めて針を持つわたしの心のうちを感じた回でした。

北海道で刺繍を綴るぬいとりさん。
楽しく素敵な方なので、在館いただけたらよかったのですが、今回は残念ながらお越しになられません。
作品ゆっくりご覧いただけますように、心を込めて展示いたしますね。

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