ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
今展のメインビジュアル、そして「おばあちゃんの食器棚」の絵を描いてくださっている大野八生さん。
今展に作品もお寄せいただけることになりましたが、どのような作品を出品くださいますか?

A1
小さな水彩画と小さなアクリル画。
七実と一緒に作らせていただいた陶器の色々です。

クリスマスごろから、早春にかけての植物と小さないきものたちがモチーフです。
どれも1点ものです。
楽しみながら作らせていただきました。

ひとあし先に、小さな春を贈ります。
ウサギが多めです!
お楽しみに。

Q2
ご両親、またはおじい様、おばあ様から引き継いだ愛用品があれば教えてください

A2
祖父から父へそして私というと、さぞかしのものと思うかもしれませんが、文房具店などで売っている、なんてことないプラスチックの「黒い虫眼鏡」です。
祖父と父、ふたりとも日々、新聞を読んだり本を読んだりと。

私は、老眼が進んで,細かい絵を描くときに虫眼鏡で描くことが多くなり、アトリエ倭の虫眼鏡とペアで机の上で大活躍しています。
大切な仕事の相方です。

Q3
クリスマスの想い出の中で工芸品や手作りのものにまつわるエピソードがあれば教えてください。

A3
クリスマスが近づくと、リースを作ります。
庭の植物、市場で仕入れた植物など様々です。
パチパチと枝をカットしながらリースを作ると、部屋の中がいろいろな植物の香りが漂い,森の中のような清々しい香りになります。

リースを作るときに出る、枝や落とした葉も、家でリースの作業するときは、捨てずに集め、細かくカットしてドライにします。

花屋の時代から、今でもずっと自分の家のクリスマスは年末に。
ドライにした枝や葉を丁寧に分けてポプリなどにするのが、私の遅い、いつものクリスマスです。

Q4
「おばあちゃんの食器棚」の中で印象に残ったお話があれば教えてください。

Q5
第5話の「呼び寄せのポット

人のように言葉を話さない植物や、周りの様々なのものたちの声を、私はいつも聞こえてくるような気がしているので、こちらのポットの声が、お話の中から聞こえてきたときは、とても嬉しかったです。

身近でそっと寄り添ってくれるものたちの声、これからもとても楽しみです。
私のまわりの手仕事の作品たちからも声が聞こえてきます。

Q5
自由学園明日館にまつわるエピソードがあれば教えてくださいますか。

A5
明日館ではないのですが、婦人之友社の編集部、1階の庭の中庭がとても好きです。
日々、丁寧にお手入れされていて、植物たちがとても幸せな顔をしています。
真ん中には池があり、金魚たちが楽しそうに泳いでいます。

この庭には、ヒキガエルの夫婦が暮らしていて、毎年、池に、おたまじゃくしがたくさん生まれます。
庭をお手入れされている会社の方が、カエルのこどもたちが大きくなるまで、大切に見守ってくれています。

そんなものがたりのある庭が、東京の街の中ににあるなんて。
本当に素敵な庭です。

婦人之友社の「明日の友」の表紙も好評のうちに7年!継続されている八生さん。
お忙しい中、たくさんの質問に丁寧にお答えくださってありがとうございます!

作り手のつくる姿、そして語り部でもある作品の絵には、
工藝やその作り手と親しくされている八生さんならではの深いまなざしが感じられます。
今展では、会場入ってすぐの空間で原画の展示もありますので、ぜひゆっくりご覧いただきたいと思います。

大野八生さんは土曜日に在館くださいます。

大野八生さんのインタビュー記事が掲載されている光村図書のサイトをご案内いたします。
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