ヒナタノオト
作品展に寄せて

東京は乾燥がはげしいですね。
暖冬とはいえ、今が冬本番。
冬を味わい尽くし、春を待ち望む。
そんな願いを込めた4人展も、あと二日間となりました。

celeste 稲垣哲さんの靴は、先週の土日、お直しやメンテナンスにお持ちくださる方が多くいらっしゃいました。
綻びを直したり、調整したりして履き続けたい靴。
作者の願うところと思います。
残り二日間、在店くださいますので、celeste靴をお持ちの方はぜひに。(磨きだけでも!)

革靴って、せっかく自分の足型になじんだ頃に、ソールやパーツがだめになってしまったりするんですよね。
とっても残念でした。
けれど、celesteの靴に出会ってから、革の部分がいい感じに育ってきたころ、
ソールやパーツがくたびれてきても、気持ちよく替えられるので、とっても気が楽になったのです。
作者が修繕の修行もしてきたので、そのあたりは万全なんですね。

イナガキのお薦めは、フォーマルにも履けるちょっといい黒の革靴。
そして普段にはストラップサンダル。
ストラップサンダルは4色持っているのですが、ここ8年来履いています。
もっと、欲しい!

もちろん、デザイン、革色ほかにも、いろいろありますので、店頭でぜひ、ご覧になってみてください。
そして、最近、パートナーの男性をお連れくださる方もじわじわ増えて・・・。
男性靴のオーダーって、かなり敷居が高い気がしますが(価格的にも)、
きっとお値段以上!のご満足をいただけると思いますので、ぜひ見にいらしてください。

日曜日は、小泉すなおさんが在店くださいます。

春色。
は、る、い、ろ、って、音まで優しいですね。
いつもの料理も、そして、新たなレシピも、盛るのが楽しくなる器です。

案外、陶芸作家の方って、ごはん茶碗作らない方も多くて、ヒナタノオトにもたくさんはないのです。
このすなおさんのごはん茶碗、スタッフ皆にも好評でした!
大きさ、手のひらの収まり具合が、ヒナタノオトスタッフと合ったんですね。
私も合うかも!という方、ぜひ、たなごころ(掌)に包むように持ってみてください。

石井宏治さんの木工の器は、ヒナタノオトでは今までにちょっとなかったニュアンスの器です。
石井さんの木の器、全般に良い意味でささやか、なんですね。
木の強さとか、存在感とかが先に出てこなくって、静かな感じがします。

作家物の工芸品の良さのひとつに、作家らしさが作品に反映されていることがあると思っています。
作り手のスケール感や感覚がすなおに立ち上がって反映された作品には、うそのない気持ちよさがあるって思っているのです。

石井さんの木の器は、きっと石井さんと感覚的に合う人には「こういうのを待っていた!」という方がいらっしゃるかと思います。
木の器を使ってみたかったけれど、ちょっと強く感じていた方とか。
カトラリーもやさしい印象で、きっと、お好きな方いらっしゃいますね。

そして、初日にいらしたときに伺ったスウェーデンの木の器のお話に、私もスタッフも引き込まれてしまったのでした。

写真ですとちょっと、わかりにくいのですけれど、このリム皿、ほぼフラットなんですね。
別のかたちも作っていらっしゃいますが、そちらはいわゆるお皿のリムよりも皿部が下がったもの。

このフラットなプレートは、18世紀くらいのスウェーデンで使われていたもの木の皿に感銘を受けた石井さんがリデザインしたもの。
当時の人は、このお皿を持ち歩いて、出先で食べ物(ジャガイモ?チーズ?肉・・・?)を盛って、ガシガシカトラリーも当てて使っていたのだそうです。
時にカッティングボードのように裏側では刃物を当ててみたり。
でも、カッティングボードよりも持ち歩きやすいんですね。
ポケットに入れていたりもしていたそうなんです。

スウェーデン 木皿 18世紀
などで検索すると、石井さんが感銘を受けた木皿の画像、いくつか出てきますよ。

そんな素朴で胸が広がるようなお話を聞いて、私もぜひ使ってみたくなりました。
朝のパン皿はもちろん、ランチにも一緒に持っていこうかなと。
ガシガシ使って、いい風合いに育ててみたいと思いました。
ちなみに、私は、山桜と北海道のクルミと一枚ずつを選びました。
(数があったので、お先にすみません!)

4人目、特に惜冬!担当の千田徹さん。
千田さん、カフェに勤務されていて、ラテアートがお手の物なのだそうです。
スリップウエアって、まさにラテアート。

千田さんのスリップウエアと出会ったとき、文様の頃合いがとても良いなぁと思いました。
書き込みすぎても、間が開いても、ピンとこないスリップウエアですが、
千田さんのはバランスが絶妙だなぁと。
その理由の一つが、ラテアートだったとは!

グラタンがぴったりの器。
サイズも微妙にいろいろ揃えてくださっています。
もちろん、オーブン以外に普段の器としても、民芸の美しさが感じられてとても好ましく思います。

土曜日は、稲垣哲さん。
日曜日は、小泉すなおさんと稲垣哲さんが在店くださいます。
(石井さんは体調不良で不在となりました)

店内、清浄に、あたたかな空気で、皆様のご来店をお待ちしています。