ヒナタノオト
作品展に寄せて

Ohama 大濱由惠さんの革バッグ受注会が始まります。

金曜日、セッティングを終えて、スタッフとともにあらためて作品のお話をお聞きしました。
大濱さんとの出会いも14年!
ぐんぐん作家としての力を蓄えられて、豊かなお仕事に進む姿を見せていただいてきました。

「今更なんですけれど、そもそもどうして『革』だったんですか」

たぶん、14年前にはお聞きしたかと思うのですが、
その後、あらためて伺うこともなく「今」や「これから」のお話をワクワクとしてきたのでした。

事務系のお勤めをなさっていた頃、革製品がとても好きで、手縫いの革工芸をまず習われたという大濱さん。
かっこいいなと思っていた革鞄を作ってみたものの、小柄な自分が使いたい形とは違うような気がして、次はミシン縫いのバッグづくりを学ばれたとのこと。

手縫いとミシン縫いでのバッグづくりができるようになると、こんどはバッグの内装ももっと作りこめるようになりたい!
と、ハンドバッグ制作の師との出会いを求め、こつこつと学びを重ねてこられたのだそうです。

所謂、手縫いの手作りバッグ。
基本的なミシン縫いのバッグ。
ハンドバッグ。

バッグ、カバンの作り手と言っても、職人の世界では、この3つのカテゴリーは交わることなく、ジャンルが異なるのだでそうです。
そのような中、大濱さんは自身が求めるバッグ作りに邁進する過程で、3つのカテゴリーの技術を習得してこられたのでした。

スタッフと共にそのお話を伺いながら、皆で目を輝かせて、合点!納得!したのでした。
大濱さんのバッグのデザインの幅広さ、型の豊かなバリエーションは、その技術あってのことだったのだと。

「どうして『革』だったのか?」
は、革の表情が好きだから、ということでしたが、その好きから始まったものづくりの道は、
自分も使いたい形のバッグを作りたい、という希望から進み開けていったものだったんですね。

大濱さんが提案するバッグが、使い手の気持ちを深く汲んで作られていること。
あらためて知ることができた搬入の日。

ひとつひとつのバッグ、そのひとつひとつの細部に意味とそれを具現化する技術がひそんでいます。
受注会では、ぜひ、その魅力を堪能いただければと思います。