ヒナタノオト
作品展に寄せて

津村里佳
千葉 ガラス
花を生け、水を注ぐひと時を愉しむ。
いつかの記憶の光景に映る事を願って作られた硝子の器。

Q1
津村里佳さん、今展には、どのような作品を出品くださいますか?

A1
春の草花が盛りの時です。
一輪の草花が、過ごす場や時を少しでも明るくする事を願い、花器をたくさん用意していきます。
ガラスドームや食器類もお持ちします。

Q2
津村里佳さんの庭にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

A2
昨秋、金柑の実が生る庭のある家に引っ越しをしました。
シロップ煮にする事を楽しみに、ようやく色づき始めた金柑を毎朝チェックしているのですが、私からするとまだもうちょっとな緑色。
それでもどこからともなく飛んできて、当たり前のように選び、啄んでいる鳥たち。
私も採りたいのに、どれが食べ頃になってきているかを熟知しているのは完全に相手側。
悔しいより、完敗。

家で、室内で過ごす時間に、今まで以上に向き合う機会となったこの春。
季節の喜びをかたちとしたような草花を受け止める器の姿をあらためて思います。

すっと美しく吹き上げられたフォルムとガラスの輝き。 津村里佳さんのガラス器は、四季折々の草花に添って、その季節ならではの自然の息吹きを暮らしの中に届けてくれることでしょう。