ヒナタノオト
作品展に寄せて

KUUSI6
東京 フェルト
羊毛をキャンバスに、植物をモチーフに描いたバッグや小物。
羊毛の優しさで春を彩る。

Q1
KUUSI6(クーシ)さん、今展にはどのような作品を出品くださいますか?

A1
羊の原毛を圧縮して仕上げた羊毛フェルトのバッグやポーチ、ポットマットなどの作品を出品します。
今回は春の装いに合う、植物柄をモチーフに華やかな色合いに仕上げています。
また新しく春の植物柄を入れたキーケースも出品します。

Q2
KUUSI6さんの庭にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

A2
庭と言っていいのか分かりませんが、子供の頃、実家の裏に竹薮があり、庭と言うとその竹薮が思い浮かびます。
春先になると、家族でそこに竹の子を掘りに出かけていました。
庭の先に続く獣道を蛇を恐れながら、長靴を履いて、ざっくざっく草を踏み倒しながら進んだ先に竹薮があります。
笹の葉で敷き詰められた地面から、ひょっこり顔を出す竹の子を兄妹の中で誰が逸早く見つけるか競争したり、竹の子を上手く根っこから掘り起こすのに苦労したりして、リヤカーに竹の子を一杯積んで、ご近所さんにもお裾分けしたりしていました。
この竹薮があるおかげで、年に一回の家族の竹の子イベントが行われていました。

上京して初めての春に、家の竹の子が食べれなくなったことに気付きました。
家で採れていた竹の子を当たり前のように食べていたことがとても貴重で、幸せなことだったのだと実感したことをよく覚えています。

今でもこの時期に、スーパーなどで竹の子が売られているのをみると、竹の子掘りをした記憶が蘇り、子どもの頃の郷愁として思い出されます。

Q3
今展のメインビジュアルに描かれた草花の中で、出品作品にモチーフとしたものがありましたら具体的に教えてください。

A3
シロツメクサ、カモミール、ミモザの花をモチーフに、バッグやポーチに柄を施しました。
特にミモザの柄を中心に、今回初めてキーケースにもミモザの柄を施してみました。

小さくて黄色い花が好きで、菜の花、たんぽぽ、水仙と黄色い花を見ると春の訪れを感じます。
中でもミモザは、春の花の中でも特に好きな花です。
小さくて丸いボンボンが集まったかわいさに惹かれて、モチーフとして作品によく取り入れてきました。

今回は、より春らしさを感じられる明るい色彩で、華やかに作品を構成してみました。
ミモザをはじめ、春の花に囲まれた作品を是非ご覧下さい。

ミモザが好きな方が、ヒナタノオトのお客様やご縁のある作家の方にことに多いように思います。
KUUSI6さんが作られた今展の庭の花々。
会場でぜひご覧くださいませ。