ヒナタノオト
作品展に寄せて
舞良雅子
岩手 染織
異素材を織り込んで立体的に仕上げたストール。
新しい形が使い心地のよさにつながる布。
Q1
舞良雅子さん、今展には、どのような作品を出品くださいますか?
A1
フサフサの毛足を織り込んだものや、ジャケットがわりになる厚手の麻地のストール。
軽くて透けるネックウエアなど、質感も大きさもさまざまな新作です。
Q2
庭にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。
A2
梅雨の頃になると庭の入口にある紫陽花が茂り、葉っぱの上にはよくアマガエルがうずくまっていました。
薄緑や灰色がかったのもいて、どれも違う微妙な色合が不思議でした。
一匹見かけたら他にもいるに違いないと、ランドセルを背負ったまましゃがんだり伸び上がったりして、宝石のようにきれいで一番小さいのを探したものです。
艶やかな黄緑色の絹糸にやけに引かれてしまうのは、ひょっとしたらそんな記憶のせいかもしれません。
繊細でダイナミック、工藝の高い技術を用いていながら、どこかソリッドでクールな表情の布を織りあげる舞良雅子さん。
昨冬から始まった「毛足」シリーズも伊勢丹に登場します。
アマガエルを見つめる少女時代の舞良さん、絹糸に惹かれる一端がこのようなところにあったかもしれないなんて、素敵なお話しですね。
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