ヒナタノオト
作品展に寄せて

いつからか植物の観察を丁寧にすることが身につきました。

道をゆっくり散策し
静かに語りかけてくる草花を、できるなら根元から採取していきます。

透明の瓶に挿し、素敵な表情をモデルさんを愛でるように撮影。
次に自分の手でその姿を写し、色の観察。
花びらの枚数・葉の質感・額の形 ‥‥
すみずみまで眺められて、さぞ迷惑なことでしょう。
最終的にはピンセットで解剖を試み、押し花として保存することもあります。

こうして、昨日までは名も知らなかった野の花は
今では親しみいっぱいの「私の花」になっていきます。

ー 自然は美しいから美しいのではなく、愛するからこそ美しいのだ ー
挿絵画家の熊田千佳慕さんの言葉です。

大切なことは、写実に頼りすぎないこと。
花の心になってこそ、その花らしさが映せるのだと思っています。

加藤キナ

なほさんの手に生るコサージュは、まるで植物標本のよう。
ご自宅から工房までの道行きが、自然観察、自然交流の散策時間。
その時間の中で出会った草花をよくよく見つめているうちに、
なほさんの心に沁みこんで、そこから生まれたてくるコサージュの数々。

ご用意くださった箱に入れて、標本のように壁に掛けたり、シェルフに置いてみたり。
そして、おめかしの日には、お洋服に留める(咲かせる)と素敵ですね。

デンマークで開いた「日本の手工藝展」のとき、
まっさきにデンマーク人の方たちに反応があったのが、この鹿革のコサージュでした。
植物を愛する心は、瞬時に響き合うものなんですね。

(デンマーク Tversted skoleでの展示。虫眼鏡にぐっときます!)

コサージュが入れられているお箱もとても素敵です。
裏側の上部には、壁に留められるような金具もついています。

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