ヒナタノオト
作品展に寄せて

美しいもの

ただ 美しいものが作りたくて
孔雀の羽根を彫りました

長く温めていた図案に
清楚なブルーの鹿革を合わせて

孔雀は毒蛇や蠍を食べる益鳥として尊ばれ
その羽模様から100の目を持ち
災いから守護する鳥と言われています

工芸品のモチーフとしても
幅広く愛されている孔雀

多くの美術館・博物館が
閉館されている今
私たちが感動してきた芸術に
改めて思いを寄せています

美しい作品を生み出した作家
それを支えた家族や友人
伝え残す協力者
時代や環境

絵画や工芸品・音楽から
様々なものを受け取り
私たちもまた
次の世代へと繋いでいきます

美には慰めがある

再び
美術館や博物館を訪れ
豊かな時間を過ごせる日々を
願ってやみません

鹿角長財布
「孔雀の羽根」

グレイッシュブルー
内装:牛革
前金具:鹿角・貝

加藤キナ

独学で深めてこられた牧さんの彫刻。
文様を彫るという行為は、祈りに直結しているように感じます。
手のひら、そして指先で、息をひそめて集中しながら刃を向ける。
そこには、邪心など入り込めない濃密な、そして透明な時間があるのかもしれません。

今回の「鳥の歌」展にちなんで制作された
エナガ団子
菊イタダキ
そして、この孔雀
お財布として長くお使いいただき、いずれ革が役目を終えても、
この鹿角の彫り物は永遠に残り、残してほしいと思います。
その時には、牧さんがきっと相談に乗ってくださることでしょう。

現在、この青いクジャクのみお渡しできます。
守護の鳥が、ふさわしい方のお手元に、無事飛び立ちますように。

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