ヒナタノオト
作品展に寄せて

自由学園明日館での「㔟司恵美 竹細工展」、無事終了いたしました。
コロナ禍の中にあって、自由学園明日館をはじめ、私たちも感染予防に努めながらの催事でしたが、予想以上のお客様にお越しいただくことができました。
あらためまして、御礼申し上げます。
ありがとうございました。

明日館での展示は、4月の大野七実さんが見送りとなって(ヒナタノオトにて6月に開催)、
恵美さんも当初は7月の予定でした。
なので、昨年9月の津田清和さん以来の一年ぶり!!
えっ、そんなに経ったの??と驚きましたが、
もっと驚いたのは、勝手ながらホームのように感じたこと。
出張展示、アウェイなはずなのに、
とてもとても居心地の良い展示をさせていただくことができました。

それは第一に、連載「手しごとのモノサシ」の担当編集者山下さんのお心配りがあってこそ。
いつも作家の方、お客様、そして私たちが居心地よくできるように、あたたかく迎えてくださいます。
そして、婦人之友社の皆様、明日館の皆様もほんとうに。
カフェの方も1年ぶりなのに、マスク姿の私たちのことすぐわかってくださって!朗らかな笑顔を。
うれしいですね。こういう人と人との交流。

そして、あの空間、なんというか、善意のかたまり、というか、
善意の営みが続けられた場ならではの底力のようなものに包まれた日々でした。

恵美さん、快活な笑顔の奥で、最初は少し緊張気味?のような感じでいらしたけれど、
始まったら3日間、とても充実されていたようにお見受けしました。

恵美さんは、「作家」であろうとしてはおらず、
けれど従来の「職人」というありかたがそのまま現代に即しているのでもないので、
立ち位置というか、どのように竹細工を続けていくのかを模索しながらのことと思います。

そのひとつの指針は恵美さん自身が、心健やかに手が向く方に仕事を進めること。
そんなことを思っています。
よき使い手、よき他の作り手との出会いが、
「つくりて」として歩み続けていくための大切なことなのではと。

地元の祭祀などの道具作りや、昔ながらの技法での食品生産(佃煮など)で使われる道具作り。
使い続けられる民具制作。
地元に根付いてのものづくりの日々の中、
「作家」のように名前を出して発表する展覧会形式が、恵美さんにとってどういうものであるべきか。
私なりに慎重にあたってきましたが、会期を終えて、これでよかったんだ、これがよかったんだ。
と思うことができました。
それは、お客様と恵美さんとのやりとり、交流。
訪ねてこられたさまざまなジャンルの作り手の方々との交流。
美しい空間で、美しい姿で展示をすること。
仕事についての原点、現在、未来へ立ち止まって考察すること。
恵美さんの満たされた表情で、
この機会が恵美さんが歩む「つくりて」の道の滋養になったことを感じられました。

インスタグラムには、恵美さんの動画1分版をアップしました。
こちらです → click
また、このオウンドメディアの「種」のコンテンツには、4分ほどの動画を近日中にアップいたしますので、こちらもどうぞお楽しみに。

そして、12日土曜日12時から、恵美さんの籠10点をオンラインストアで販売いたします。
日々の暮らしを新たに歩む籠。
時を重ね、あめ色に育つ籠をぜひ見つけていただければと思います。

ソラノノオト → click

㔟司恵美さんのタノシイ!?ブログもご覧ください。
→ 「つくりて」