ヒナタノオト
作品展に寄せて

ハマスホイの時間
2/8(土)〜2/16(日)

9名の出展作家に今企画展にメッセージを寄せていただきました。
また、出展作家への企画者の想いも記しました。

Q1
今展にはどのような作品をキムラヤとして出品くださいますか。

A1
キムラヤとして活動を始めるにあたって最初に制作したシリーズです。
シンプルな形で色の組み合わせを楽しめるものとして展開しています。
マグは大きめでガッツリと、コーヒーカップは浅く広く 、スープやデザートといったスプーンの似合う形にしています。

Q2
ハマスホイの時間、という企画展から、どのようなことを想われましたか?

A2
今回「ハマスホイの時間」の企画をいただく時、何年かぶりに稲垣さんとの再会になりました。
その場でハマスホイの写真を見せていただきながら、キムラヤとしての活動についてや、作品の質感や色味などをお話しし、感覚をすり合わせていただきました。
なつかしくもあり、そのまま時が戻ったようにも思えたその時間は、まるでハマスホイの絵の中にある扉を開けたかのような気持ちになりました。

。。なんちゃって。
シンプルに、ヒナタノオトでキムラヤの作品をご覧いただけることが嬉しい気持ちでいっぱいです!

 

 

昨年の6月。
繍~ぬいとりの羽田久美子さんと札幌でお会いした時、
「稲垣さんをお連れしたところがある」といって、車に乗せていただきました。

どこか景色のよいところか、ギャラリーなどに連れて行ってくださるのだとぼんやり乗っていましたら、到着したのは小樽。
そして、横づけされた家の前には、まぁ。
木村泰明さん。
JUNIOでガラスや陶器をご紹介していましたが、しばらくお休みしていてご連絡が途絶えていた大切な作家の方でした。

工房からの風で初期の風人さんをしてくださったり、書籍や雑誌で紹介させていただいたとても信頼してる作家です。
小樽に越してキムラヤという屋号で制作を始めたと風の便りには伺っていましたが、このようなサプライズでの再会に恵まれたのでした。

聞けば、羽田さんに「工房からの風」を紹介したのは泰明さんとのこと。
けれど、羽田さんは取り立ててそのことを言わなかったのですね。
機が熟して、また自然にお仕事ができる日が来ると信じて。

すみません、ここまではハマスホイと関係のない話です。
その日、新たに整えられた小樽の工房に展示されていたのは、渋いトーンのシンプルなかたちの陶器でした。
特に心惹かれたのは、ブルーグレー。灰青の器。
その時、ハマスホイの色調が心に浮かんできたのでした。

2020年年明けに都美でハマスホイとデンマーク絵画展が開かれることを伺っていたので、ぜひ、それに合わせてヒナタノオトで企画展をしよう。
そんな風に漠然と思っていたのですが、泰明さんの器を見て、絶対に実現しよう、そしてキムラヤのブルーグレーの器を出品してもらおう、そう思ったのでした。
小樽の冬の空の色や室内に入り込む光は、関東のそれよりもきっとコペンハーゲンに近いことでしょう。
そのような光の中で作られたキムラヤの陶器。
今展の中で、ぜひご覧いただきたいと思います。