ヒナタノオト
作品展に寄せて
ハマスホイの時間
2/8(土)〜2/16(日)
9名の出展作家に今企画展にメッセージを寄せていただきました。
また、出展作家への企画者の想いも記しました。
Q1
竹口要さん、今回はどのような作品を出品くださいますか?
A1
静かで暗い空間にもしっとりと馴染むような器を出品したいと思っています。
Q2
ハマスホイの時間、という企画展から、どのようなことを想われましたか?
A2
ハマスホイの絵の世界観を、作家それぞれが制作し構成することは大変難しい企画展になるだろうと思いました。
Q3
ハマスホイの絵を見たことのある方のみ感じられたことをお教えください。
A3
画像などでしか拝見したことがないので非常に浅いですが、とても好きな絵です。
とても暗い色調の絵が多い物が多いのですが、決して冷たさや寂しさみたいなものは感じられなくて、人がいなくても、人の気配、温かさ、柔らかさ、のようなものを感じられるところが好きです。
竹口さんの器から感じるヨーロッパの趣き。
なんて、ざっくりとかっこよさげ書きましたが、実際のヨーロッパ(私が知っているのは主に北欧ですが)の陶磁器の場合、個人作家の作品はもっとデコラティブなものが多く、竹口さんのような端正な器と実は出会ったことがありません。
ではなぜヨーロッパの趣きを感じるのか?
それは、具体的な陶芸品というよりも、金属のものであったり、ポーセリン(磁器)であったりと、竹口さんの素材とは異なるインテリアや空間にある調度品の佇まいと近しいものを感じるからだと思うのです。
竹口さんが創ろうとするイメージが、ハイテク化、工業化以前のヨーロッパのある階層の世界観に響いているのかもしれません。
そして、そのイメージを美しく具現化できるのは、陶芸作家としての技術力なのですね。
「ヨーロッパの趣き」をかたちにできているのが、日本の陶芸技術をしっかりと身に着けた竹口要という作家だということを、あらためて感じています。
昨秋の竹口さんの個展のときに、ハマスホイの画集を見ていただきました。
きっと、お好きだろうと思って。
使った絵の具の色数が少なかったハマスホイの色調と、竹口さんの作品の色調がとても近いこと。
見る者の心を鎮めるような空気感。
描かれた調度品が少ないハマスホイの絵ですが、竹口さんの器がその絵に描かれていても違和がないと思って。
案の定、ハマスホイの絵をとても気に入ってくださって、きっとご予定いっぱいだったことと思いますのに、この企画展に加わってくださったのでした。
(竹口さんすみません、罠にかけたみたいになって<(_ _)>)
まずは写真撮影用に、象牙色の器を送ってくださいました。
きっとうんとイメージを深めてくださって作られたことと思います。
こういうやりとりは作家にはしんどいことと思いますが、きっと新たなすばらしいものが生まれることと思います。
ありがとうございます。
そして、加えて、ぜひ軽やかにも制作いただけたらと思います。
そもそもが、近しい感覚の中での制作だと思いますので、すーっといつもの呼吸の中から生まれるものも共に空間に並べてみたいと願っているのです。
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