ヒナタノオト
作品展に寄せて

Q1
toko aokiさんは、ヒナタノオトの新宿展に初めて出展くださる金属装身具の作家の方。
今展には、どのような作品を出品なさいますか?

A1
自分で編んだり刺繍をした断片を型取ったシルバーやゴールドの装身具を出品致します。
イニシャル刺繍のペンダント、くさり編みのチェーンネックレス、天然石を留め付けたリングやイヤカフ、植物をモチーフにして編んだもの、などなど。
糸の儚くナイーブなかたちと金属の確かさとの重なりから生まれるリリックを感じて頂けたら嬉しいです。

日常の何気ない瞬間に目に留まる、例えば電車の窓に映った耳飾りやペンダント、目を下ろした先の指元のリング。
そんな時にふと心を寄せられるような、小さくともそんなものにできたらと思っています。

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今回、窓について、あるいは、工房の大切なもの、いずれかをお教えください。
と私から作家へお尋ねいたしました。
数名の作家の方がふたつともにお答えくださいましたので、素敵なお返事でしたので両方お伝えいたしますね。

Q2-1
今回、「春の窓」というサブタイトルをつけました。
toko aokiさんの、窓にまつわるエピソードがありましたら、教えてください。

A2-1
我が家は窓が多く、雨の日でも日中はまったく電気をつけなくても問題のない恵まれた環境です。
集中しすぎてしまう制作中も目の端には常に緑や空の青さが入り込み、
窓からの風景にどれだけ気持ちの軽やかさをもらっているかわかりません。
窓から差し込む自然光が満ちた部屋の中での制作はこれ以上ない幸福だと感じます。
冬の澄んだ光の中では取り分けです。

Q2-2
toko aokiさんの工房の中で一番好きな、あるいは大切なものについて教えてください。

A2-2
あたりが暗くなる夕方になると作業台の上のゼットライトをつけるのですが、手元を照らしてくれるそれとは作業場の中では1番長い付き合いです。
ずいぶん昔に親から与えられたもので、40年近くはたっているライトです。

思い返せば読書や日記、手紙を書くことや受験勉強、今に続くドローイングや糸仕事、ヤスリがけもこのライトの元でやって来ています。
外からの光がない長い時間、私のその時々の大切なものを照らし共に歩んできてくれていた親愛なる存在だったのだと、工房の中での一番好きな大切なものを問われてみて、今改めて気が付きました。

toko aoki、青木東子さんの金属装身具の始まりは「糸」。
繊維の繊細な表情を金属に映して、独特な表情を見せてくれます。
派手さのある作品ではありませんが、静かな華やかさを秘めていて、身に着けるとその華やかさに心が弾みます。
また、他の装身具との相性もよくて、複数身に着ける愉しさも味わえます。

toko aokiさんは全日在店を予定くださっています。

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