店主ブログ
日々の芽吹きの記録

兎が走る皿

2023.01.01

あけまして
おめでとう
ございます

旧年中も大変お世話になりました。
ありがとうございました。

2023年
新しい年

皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

続けてきたことを新鮮な気持ちをもって丁寧に。
そして、ご縁を得て新たな取り組みにも幾つか進みます。
作り手と使い手を結ぶ豊かな庭のような営み、そして場になれますように。
初心をたしかめ、想いを熟して、2023年を漕ぎ進みたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

「この兎、走ってる。飛び跳ねてる。器の中で生きている」

工藝のお店を開いているはるさんが出会った一枚の絵皿。
その作り手である陶芸作家の満さん。

描きたいという気持ちが勝っているとうまくいかないことに気がついた。
そして、ふっと力を抜いて、真空のような心で筆を運んだときに限って、気に入った絵が描けた。
器に滑らす筆の速度を満さんなりに掴むと、あとはこだわりを手放すように心がけた。
自分の心や手の中には、たっぷりと描いてきたいきものの姿があるのだから、その姿を伸びやかに出せばいい。
どこかに心をひっかけないで、できるだけ心を整えて絵付け仕事に向かおう。
それはちょっと難しいことでもありながら、そう心がけること自体が、満さんにとっては爽やかなことだった。

婦人之友のHPに連載させていただいている「おばあちゃんの食器棚」
(文・稲垣早苗  絵・大野八生)

最新話は「兎が走る皿」。
今年の干支は「兎」。
年末に公開になりましたが、2023年、新しき年を寿ぐ気持ちも込めてお届けします。

僕は僕であって、僕だけじゃない、って。変かな。
この食器棚の中に5つの皿で一緒にいると、僕と僕以外の兎の皿がつながって感じられるんだ。
僕は僕だけれど、僕以外の器とつながっているって。
そして、僕の前にたくさん描かれたいきものたちの絵の先に自分がいる、というような気持ちになってきたんだ。
いにしえから描き続けられた絵付け、満さんが描き続けた絵付け、そして僕が生まれた後に描かれていく絵付け。
人が描かずにはいられないものの姿。
その中の一粒のような自分。
そんな風に感じると、なんだか安らいだ気持ちになるんだ。
食器棚の中でね。

今回も八生さんが心のこもった素晴らしい絵を寄せてくださいました。

『婦人之友』HP お読みいただけましたら幸いです。
→ click

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オンラインストア・ソラノノオトは、1月5日(木)正午から、新しい作品を充実させて販売開始となります。
(プレビューは前日からを予定しています)

実店舗・ヒナタノオトは、1月7日(土)11時~開店させていただきます。
新年は恒例となりました、佐々木ひとみさんの楽園。
うさぎが大好きなひとみさんが「今年は、うさぎまつりです~」と、張り切っていらっしゃいました。
うさぎがお好きな方も、そうでない方も!新年のヒナタノオトへぜひお出かけくださいませ。

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明日は、クロヌマタカトシさんからご寄稿いただいた素敵な文章と写真を掲載いたします。
乞うご期待くださいませ。