店主ブログ
日々の芽吹きの記録

新しい空間

2021.01.09

空色の扉を開けて、すぐの空間。
広い方の展示室のしつらえを新しくしました。

hyakka 岡林厚志さんに依頼して、テーブルとシェルフを新調しました。

メープルを鉄媒染したもの。
R(曲線)を静かに描いたテーブルとシェルフ。

作品を適切に豊かに見ていただくステージづくり、もっと進めていきたいです!

そして、通りに面したガラスにフィルムを貼りました。
これが予想以上によい感じに仕上がりました。
視界のノイズがさえぎられて、光が優しくまわって、心地よく。
雰囲気、というか、居心地がかなり変わりましたので、いずれぜひご体験くださいませ。

2021年、スタートの佐々木ひとみさん展から、
この新しい空間で始めるべく準備をしておりましたが、
コロナ禍の中で厳しい始まりとなってしまいました。
どのように行うか。
悩みました。

目に見えないウィルスに対して、人と人との受け取り方、感じ方がとても違うように思っています。
専門家といわれる方々の意見もさまざま。
情報はたくさん。
その中で、ウィルスとともに、人の心が怖い、と思う時もあります。
疑心暗鬼になったり、人を責め立てたり、非難したり。
慎む心と怯える心は違うはずなのに、その境界線が揺らぎます。

自分の過ごしてきた人生の時間の中で、
たとえば弟や父の介護をしていたときが今だったとしたら、どんなに大変だったろうかと思います。
病院との往復や、もし自身が感染した場合の対応など、
二進も三進もいかない八方ふさがりのような日々だったかもしれません。
そのような状況に、今いらっしゃる方も多いのだと思います。
心を寄せずにはいられません。

さいわい、今、私自身はそのような状況にない中で、何をすべきなのだろう。
そう考えた時、慎む心を抱きながら、自身の仕事を行おうと思いました。
作り手の仕事の進化に立ち会う、その仕事を喜んでくださる方にお届けする。
スタッフの健康管理、リスク回避を慎重にしつつ、予定していた展示発表を行う。
そう思いました。

今日から始まる佐々木ひとみさんも、コロナ禍の中、例年よりも展示の機会を減らして慎重に過ごされてきました。
今回、ヒナタノオトなら安全度が高いと在店も予定してくださっていたのですが、
地方から東京への移動を避けるために、直前ですが在店を見送られました。
けれど、制作はこつこつと進めてくださっておりましたので、
その実りはぜひお届けしたと思っています。

1月はこのあと大濱由惠さん(Ohama)の受注会も控えています。
この受注会で数か月分のお仕事を受け取られる作家のためにも、
工夫を凝らしての展開を模索しています。
今度の受注会でオーダーをしよう!と楽しみにしてくださっているお客様にもお応えしたいのです。

世の中の大きなうねりの中では、一滴にもならないような営みかもしれませんが、
目の前のひとしずくを丁寧に掬うように、
今できることを、慎重に、配慮しながら行おう、そう思いました。
ご理解とご協力をいただけましたら、ほんとうにありがたく存じます。

月・木・金以外の13時から18時。
日本橋小舟町の空色の扉の中で、粛々と作品展を開いています。
1月のソラノノオト企画、染織作家佐藤亜紀さんの「糸ぬの歳時記」の新作も届きました。
オンライン公開の前に、店頭でも展示いたします。

オンラインストアでの佐々木ひとみさん作品の販売は、会期中から行います。
1月14日木曜日からを予定しています。

また、9日開店以降、ブログ掲載作品(9日中に公開予定)についても、お電話での販売も承ります。
(通常は展覧会期間中の電話での販売は行っておりませんが、今回は時節柄会期中から承ります)

あらためて、2021年もどうぞよろしくお願いいたします。