ヒナタノオト
作品展に寄せて
北欧のゆかり展、出展作家の方からのメッセージをお届けいたします。
今井和世さんからのメッセージをご紹介いたします。
和世さんは、16日(木)に在店を予定されています。
Q1
今井和世さんの北欧とのご縁を教えてください。
A1
ある冬の日、本屋さんで稲垣早苗さん著 『北欧の和み』を手に取ったことです。
デンマークのボンホルム島を知り、2011年にボンホルムホイスコーレに留学しました。
すっかり魅せられてその後は毎年ボンホルム島に通うことになりました。
Q2
今井和世さんにとって、もっとも縁(ゆかり)を感じた北欧のエピソードをひとつ教えてください。
A2
デンマークを初めて訪れたのは夏至祭の頃でした。
ボンホルム島のホイスコーレを見学に行き、それから島のあちこちを歩きました。
行く先々で、
たとえば最初は美術館で声をかけられ
「あなた日本から来たんでしょ、ちょっと待ってて」
と、受付の彼女が電話をしはじめました。
戸惑ってる私に
「この島に住んでる日本人に会って行かなくちゃ、私の友達なの」
というのです。
そんな風に行く先々で出会った人が次の”重要な”人へと引き合わせてくれて、、
夏至の季節の魔法みたいに出逢いがリレーにように重なりました。
ここへ来ることになっている、とその時に感じてしまったのでした。
Q3
和世さんが、今展に出品くださる作品を幾つか教えてください。
〇
海を聴く草
デンマークで出会ったのはまず草花たち
言葉が話せなくたって、なにも気負うことなく植物たちはそこにあるのですから
ただこちらが心をひらけばいい
”Danske blomster”
蚤の市で文庫サイズのくたびれた植物図鑑を見つけてからは
摘んでは調べて、描いてが日課になりました
親しくなるには互いに名前で呼び合わなければ
草花を摘んで束ね、周りを草だらけにしてる人に
やがて声をかけてくれる方が現れる
「その花の名前はね、」って草花がのちに親しくなるひとへと繋げてくれる、
そんな魔法も
一度や二度ではなく、経験しました。
青い小花はBlåklokke
全身を産毛に包まれて風に頷き揺れていた、翁草みたいな花は
Nikkende Kobjælde デンマーク語で”うなずくカウベル”という意味だそうです
ミヤコグサに似た黄色い花は
Almindelig kællingetand 魔女の歯という意味です
草花から、たくさんデンマークの言葉も教わりました。
〇
木を植えよではじまる詩
ひとつ何かデンマークの詩を教えて欲しい、と確かホイスコーレ留学時代に年上の人に聞いたことがあった。
そして教えてもらったのがこの詩。
習いたての版画の技法monotopiの制作モチーフにして制作したもの
by Piet hein
Du skal plante et træ.
Du skal gøre én gerning,
som lever, når du går i knæ,
en ting, som skal vare
og være tillykke og læ.
Du skal åbne dit Jeg.
Du skal blive et eneste trin
på en videre vej.
Du skal være et led i en lod,
som når ud over dig.
Du skal blomstre og dræ.
Dine frugter skal mætte
om så kun det simpleste kræ.
Du har del i en fremtid.
For dén skal du plante et træ.
木を植えよ
お前がいつか土に還るとしても
生き続ける何かささやかな行いを
それは永遠へと連なり
やがて幸福と安らぎをもたらすのだから
本当の自分自身をひらけ
君自身がその先へつづく道への
たしかな一歩となれ
君自身を超えた先にある大いなるもの
へとつづけ
花を咲かせ実らせよう
君の果実は誰かを満たす
たとえ単なるひとつの存在だとしても
君は未来の一部なのだから
未来のために木を植えよ
後日談ですが、自分なりに解釈していた意味と原語の詩の意味が違っていたことがのちにわかりました。
それも含めて、思い出のある作品です。
〇
アイスランドの馬 版画
デンマークの北の街で出会ったのはアイスランドの馬
雪降る12月の凍てつく草原に
微睡んでいた優しい瞳 温かな鼻息
馬を愛する人たち
:::
縁は巡り巡って、その縁をふくらませてくれるのでしょうか。
和世さんが出会わせてくれたマリアンネ・イサガーさんとのご縁から、私たちもTverstedを訪ね、展覧会をすることに。
その展覧会に向かうために、幾人ものつくり手が新たにデンマークとのご縁を結びました。
あらためて、今展の展示を金曜日一日かけて行いながら、縁+縁、あるいは、縁×縁 のさいわいを想いました。
今展の場で初めて出会う作家の方々もいらっしゃいます。
それぞれの丹精こめた実りを持ち寄って、一つの展覧会を創り出す。
その喜びを、ぜひ、皆様にご覧いただき、また、皆様とのご縁を育んでいただけたらと願います。
今井和世さんのインスタグラムはこちらです。
→ click
大島奈王さんと郷間夢野さんからのメッセージは明日公開いたします。
まずは初日、和やかに展きたいと思います。
ご来場をお待ちいたしております。
ヒナタノオト 稲垣早苗
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