ヒナタノオト
作品展に寄せて
水村真由子
奈良 木工
一本一本手削りされた食にまつわる木の道具たち。
時と共に使い手に染まり、唯一無二に育つことを願って。
Q1
水村真由子さん、今展にはどのような作品を出品くださいますか?
A1
スプーンやフォーク、新作のケーキナイフなどの食具、そして木べらのような調理具など、すべて手削りでこしらえた
-食にまつわる木の道具- を出品します。
お家の食卓やお台所で使う場面を想像しながら、あれこれ手に取り愉快に選んで頂けたらいいなぁと思っています。
Q2
水村真由子さんの庭にまつわるエピソードを教えてください。
A2
我が家のお庭には枝垂れ桜があります。
この桜は私が幼少の頃に両親が自ら植えたもので、庭に仲間入りした当初はひょろりとして頼りなさげな様子で佇んでいました。
年月は流れ、私の成長と共に幹もどっしりと太くなり、毎年春になると満開の桜でお庭は華やぎ、私たち家族や道行く人を楽しませてくれました。
そんなわが家の桜だったのですが、知らぬうちに虫が悪さして病気になってしまい、まったく花が咲かなくなりました。
枯れた枝をすべて切り落とされて幹だけになった桜は、とても悲しそうでした。
それからしばらくは桜の花がない少し寂しい春のお庭だったのですが、ある年、切られた枝の切り口からちいさな芽が出ているのを見つけました。
そしてそれは蕾をつけ、春になり花が咲きました。
細い枝は少しずつ伸び、満開までは程遠いけど少しずつ花は増え、今では控えめだけど温かな春のお庭を楽しんでいます。
Q3
今展のメインビジュアルに描かれた草花の中で、出品作品にモチーフとしたものがありましたら具体的に教えてください。
A3
モチーフではないのですが、材料として桜を削り出した作品が食具にも調理具にもいくつかあります。
何種類かある桜の中で、わたしは山桜が好きです。
削っているとふわっと杏仁のような甘くていい匂いがするので、お腹が空いている時だと食べたくなってしまいます。
奈良で木のカトラリーや調理道具を制作する水村真由子さん。
ベーシックなデザイン基に、丁寧な微調整をしながら長い愛用に適うものづくりをされています。
色漆を施したシリーズもあって、ちょっと異国情緒?な楽しさのものも。
展示台いっぱいに広がった木の匙やカトラリー、調理道具。
きっと、お気に入りが見つかりますよ。
水村さんの出展は、21日、22日の土日のみ。
奈良からお越しくださいます。
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