早起きが好きです。

起きて窓を開け、空を見上げるのが好きです。

見上げながら深く息を吸い込む。
自分が朝の空気に中にある、そのことがうれしくなります。

刻一刻と移りゆく空。
住宅街に建つマンションの４階。
景勝地でもないありふれた街。
けれど、朝という大きな景色の中で呼吸をしているだけで、湧きあがってくる泉を感じます。

眠っていたら出会えなかった美しい景色。
世界中で毎日、こんなに美しい瞬間が重ねられている。
あたりまえのようにそこにある奇跡のような美にもっと触れたい。
生きているから、触れることができる、そんなことを思うのです。

鴨川の家からは五分ほど車に乗ると、日の出と出会える浜辺があります。
この浜へも時々日の出を仰ぎに出かけます。
生活の音が大きくなる前の静けさの中、美しい時間が進んでいきます。
この時も、ただそこにいるだけで、浄められるような幸福感に包まれます。

なんだかなぁというようなこと、苦しみや悲しみ、目を覆いたくなるようなこともあると同時に、美しい景色もある。
ちっぽけな自分の力ではどうしようもないことばかりだけれど、
美しい景色や、美しい時間に自分をなるべく立ち会わせてあげたい。
どんなときも、美しい景色や美しい時間がこの世にはあることを自分の心においておこう。
そんなことを思っていると、縮こまった心がふんわりとしてきます。

コロナ禍の中、しんどさや不自由も続きますが、
この瞬間にも美しい景色や美しい時間がこの世に存在している。
その美しさに心を飛ばし、心の中に展げることができますように。

2021年の元旦に思ったことを綴って、今年の仕事始めに向かいたいと思います。

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