店主ブログ
日々の芽吹きの記録

営む、創る

2021.08.15

行ってきました。
小舟町。

40日ぶりくらいでしょうか。
馴染んだ路地を歩きながら、すでに懐かしさがこみ上げてきます。
目の先には、慣れ親しんだ空色の扉。
変わりなく存在していました。

coton

そう、ヘアサロンのコトンさん。
「coton 小舟町」として、3号店目に旧ヒナタノオトを引き継いでくださったのでした。

そう、と書いたのは、コトンさんの創業の店舗も、ヒナタノオトの旧浜町二丁目の店舗だったから。
10年前、ヒナタノオトが移転するとき、その二階にあがったコンクリート打ちっぱなしのモダンな空間を、萩原智さんが独立の地に選んでくださったのでした。

ちょうど一人目のお嬢さんが一歳くらいの時で、お子さんが遊べる空間を作って、子育て中のママも安心して美容室に行けるようにされていました。
ここで、コツコツ頑張られて、人形町の古民家にほっこりとした内装の2店舗目を持たれて、
そして、3店舗目。
またヒナタノオトの後を引き継いでくださったのでした。

空色の扉や窓枠、テラゾータイルの風合いなど、ヒナタノオトの雰囲気を好んでくださって、それを生かしたい。
なんてうれしいことを!
そして、設計を担当されたのが、二号目店舗 coton hanareの設計も担当された soiの大和田栄一郎さんと井上湖奈美さんご夫妻。
中央区新川に事務所を持たれて、衣・食・住・芸術・文化にまつわる場を創造しているおふたり。

小舟町のヒナタノオトにもよく来てくださっていて、作家の方々の作品を丁寧にみてくださるのです。
そして、ヒナタノオト時代からこの空間を気にかけてくださっていたので、今回の設計施工をとても喜んで引き受けてくださったとのこと。

cotonの萩原さんと、soiの大和田さんと井上さん。
30代の若く意欲的な眩しいひとたちが、ヒナタノオトの空間(それはものつくりの人たちが創りあげてくださったもの)を生かして、
そこに新たな息吹を吹き込み、つないでいってくれる。

こんな幸せなことって、あるでしょうか。
当たり前ではない、そう、有り難い、ことだと思っています。

吉田慎司さんの箒
菅原博之さんのランプシェード
ハタノワタルさんの和紙

未だ造作進行中なところもいいなあって。
営みながら、創る。
創ることが、営み。

器を展示していた白い棚に置かれてあった本。
大和田さんが置いたそうです。

この長田弘さんの本を読みながら、空色の扉の中で髪を切ってもらいました。

浜町の新店舗で、何人ものお客様から
「小舟町のお店はどうなるんですか?」
とお尋ねいただきました。

「あの空間が好きだったから」
と添えておっしゃってくださる方が多くて、それも幸せなことだと毎回じんわり感じていました。
あの空間、生かされて、その上に新たな創造の時が刻まれ始めていること、こちらからもお知らせしますね。

cotonさんは、浜町の一号店、人形町の二号店(coton hanare)、そして、この3店目の小舟町店があります。
萩原さんの予約は人気でなかなか取りづらいかもですが、タイミングが合えばもちろん取れますし、
他のスタイリストさんも「こんな感じの方を希望」とか、「カットが得意な方とか、ヘッドスパが得意な方が希望」など、お伝えしたらふさわしい方の予約が取れると思います。

髪質を大事に、寛ぎの時間を希望される方におすすめします。
coton → click