スタッフブログ
ヒナタノオト日誌

~the flowers told me~

2023.04.21

白い器と花。
安部太一さんの展覧会が始まりました。
会場には安部さんが制作された音楽が流れ、
花器に添えられるのは、パートナーの椿野恵里子さんから届いたお花。
それぞれが重なり合って、静かな息遣いを感じる世界が広がります。

人が心の中に持つ
それぞれの情感に
やさしく響くような空気感を
作品に持たせたい
そこに意識を置いて
深めていきたいと思います

安部さんのこの言葉の通り、ひとつひとつの作品の向こうには物語があるかのよう。
来店された方それぞれが作品から何かを受け取っているような、
静かな時間がギャラリーを満たします。

手の中にしっかりと存在を感じる質感と肌になじむような手ざわり。
「なんだかアンティークみたいな雰囲気がありますね」
そんなお声をいただくのも頷けます。

お花と響きあう花器をはじめ、キャンドルスタンド、お皿、ボウルやマグカップなど、白が描く豊かな世界が広がる空間。
花皿のなかには、アサガオ、スイセン、カモミールなどお花の名前を冠した作品も。
週末には、「プレゼントに」とお選びになるお客様もいらっしゃいました。
花束を贈るように花の形の器を贈る、とても素敵ですね。

ときに沈黙が多弁よりも多くを語りかけてくるように、白の中に潜むもの。

~the flowers told me~
花が語りかけ、教えてくれるもの
そして、器が語りかけ、教えてくれるもの

安部太一さんの作品展も、あと今週末の土日まで。(日曜日は16時まで)
余白を感じる空間をゆっくりとお楽しみください。


文 :瀬上尚子
写真:中川碧沙