ヒナタノオト
作品展に寄せて

北欧のゆかり展、出展作家の方からのメッセージをお届けいたします。
佐藤かれんさんからのメッセージをご紹介いたします。

かれんさんは、初日11日(土)と12日(日)、翌週末18日19日に在店くださいます。

Q1
佐藤かれんさんの北欧とのご縁を教えてください。

A1
スウェーデンの手工芸学校で織りを学んだことが、私と北欧とのご縁です。

Q2
佐藤かれんさんにとって、もっとも縁(ゆかり)を感じた北欧のエピソードをひとつ教えてください。

A2
もっとも縁を感じた北欧のエピソードは、スウェーデンの織り機を譲っていただいたことです。

わたしは機織り未経験の状態で、スウェーデンの学校に留学しました。
なので留学を終えるとき、日本には織りをする知人もいないし、道具も何ひとつ持っていないし、織り機は高価なものだし、残念だけれど、このさき織物を続けるのは難しいだろうと思っていました。

当時の先生にこのことを話してみると、日本に帰国して数週間経った頃に、私ぴったりの織り機を見つけたと突然連絡をくれました。
それは、織り機のロレックスと言われる、とても立派なタイプもので、先生のご友人の作家の方が使われていました。

二つ返事で織り機をもらうことにすると、日本までの梱包や発送を、スウェーデンで驚くほど段取りよく進めてくださり、帰国して半年も経たないうちに、織りを諦めようとしていた自分のところに、とっても素敵な織り機が届きました。

いま自分が日本で織りを続けられているのは、スウェーデンの織り機があるからです。
自宅で織り機を見るたびに、北欧で繋げていただいた、織物との縁を日々感じています。

Q3
かれんさんが、今展に出品くださる作品を幾つか教えてください。

A3
北欧での生活や学びをふまえて制作した、生活周りの布をお持ちいたします。
リネンとコットンのタオル、クッション、サマーケットなど、スウェーデンの景色や、留学生活を思い出しながら織った作品たちです。

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佐藤かれんさんは1990年代生まれの若き織り手。
今回も「えっ!これ、全部手織りなんですか???」
と、スタッフ全員で驚きながら展示をしました。
かれんさん、細やかな織布をたっぷりご用意くださいました。

これは若さがないと織れない布ですね。
根(こん)が続かなくなっていきます。

若く根が続くとき、精一杯織りたい気持ちが満ち満ちているなかに織り上げられた布。
それを使わせていただけることは、どんなに豊かなことかと思いました。
そして、「今」を精一杯生きて、手を動かし、ものを生み出すかれんさんの未来が洋々と輝いて見えるようでした。
作品画像は、ヒナタノオトで撮って追ってご紹介させていただきますね。

かれんさんのインスタグラムには、一部掲載もされていますのでご覧ください。
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